財産分与(将来の退職金)についてのご相談

今回は、将来の退職金を財産分与で請求できるかについてのご相談です。

 

ご相談


もうすぐ夫と離婚予定の40代女性です。性格の不一致による離婚なので、お互い慰謝料は無しということは納得しています。
今は財産分与について話し合いをしているところです。夫は大企業勤務で将来それなりの退職金をもらえる見込みですが、退職金を財産分与で請求することはできますか?夫は50歳なので、退職金がもらえるのは10年程度先になる見込みですが、それまで会社を辞めることはないと思います。

 アドバイス


まだ支払われていない退職金を財産分与で請求できるかは、気になるところですね。
私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

1.将来の退職金を財産分与で請求できるのか


将来支給予定の退職金を財産分与で請求できるかは、ケースによって異なります。
財産分与の対象財産と認められるためには、いくつかのポイントがあります。

 
①会社の就業規則などで、退職金が支給されることになっているのか。


そもそも会社に退職金制度があるかどうかですが、この点は今回のご相談のケースでは問題ないかと思います。

 
②会社の経営状況に問題がないか。


会社の経営状況が悪化して最悪倒産してしまった場合、退職金は支給されません。
そのため、会社の経営状況も退職金の支給見込みの判断材料となり、支給される見込みが低ければ財産分与の対象とするべきではありません。

 

③退職金がもらえるまで勤務する見込みが高いか。


退職金制度のある会社であっても、勤続年数が短かったり途中で退職する可能性が高い場合には、退職金が支給されなかったり、支給されるとしても少額しか支給されない可能性があります。そのような場合には、退職金を財産分与の対象とすべきでないとされたり、対象となる退職金を低く計算したりすることがあります。

ご相談のケースでは、定年退職まで勤務見込みということなので、この点は問題ないかと思います。

 
④支払いまでの期間がどの程度あるか。


退職金が支払われるまでの期間が10年以上あるような場合だと、途中で辞めてしまう可能性や経営状況や退職金制度が変わる可能性なども高くなり、退職金の見込みの蓋然性が低くなってきます。そのため、支払いまでの期間が長くなるほど退職金を財産分与の対象とできる可能性が低くなります。

今回のご相談のケースでは、約10年後の支払いとのことなので、相手が任意で応じてくれない限り、財産分与として請求するのは難しい可能性が高くなります。

 2.財産分与の対象とする場合の計算方法


財産分与の対象とする場合の計算方法は明確に決まっているわけではありませんが、一つの例として紹介します。

①定年退職時の退職金の見込み金額を算出する。(大手企業ということなので、役職ごとの見込み退職金額がある程度わかるかと思います。)
②その見込み退職金額から、結婚前と別居後の勤務分を差し引きます。

(例)
退職金見込み額 2000万円
22歳から60歳まで勤務
28歳で結婚、50歳で別居、離婚

2000万円×22(結婚年数)/38(勤続年数)=約1158万円
この1158万円からさらに、将来もらうはずのものを今受け取ることによる利息を控除します。
この例の場合には、将来の退職金のうち、1150万円程度を財産分与の対象とすることが考えられます。

 

 

 

まとめ

今回のご相談のケースで退職金を財産分与の対象として請求できるかどうかは微妙なところです。ただし、相手が任意で支払ってくれるのであれば問題ありません。相手との話し合いの中で、将来の退職金を財産分与の対象にするケースもあることを伝えたうえで、お互い歩み寄りができないかを探り合っていってはいかがでしょうか。

f:id:couple_consultation:20200612132033j:plain

 

面会交流についてのご相談

今回は、面会交流の約束を実現する方法についてのご相談です。

 

ご相談

現在、妻と離婚協議をしているところです。子供が二人いますが、私一人で子育てすることは現実的でなく、親権については妻に譲るしかないと考えています。
ただ、毎月の子供たちとの面会交流を実施することを条件にしたいと思っています。


妻も現時点では、面会交流には応じると言っていますが、これまでの妻の言動を考えると約束を本当に守るのか不安を感じています。
妻に約束を守らせるための対策はありますか?また、約束を破った場合に強制する方法はありますか?

 

アドバイス

親権を譲る代わりに面会交流の実施を求めるのは、親として自然なことですね。
私にできるアドバイスをさせて頂きます。

1.面会交流は子供にとっての権利でもあり、拒否は原則不可

面会交流は、親にとっての権利であると同時に、子供にとっての権利でもあります。
親の勝手な都合で面会交流を拒否することは、原則的に認められません。
ただし、面会交流させることで子供に悪影響があるような場合には、拒否することが認められることがあります。

 2.面会交流の約束不履行を防ぐには、離婚時に公正証書で取り決めを行う

面会交流の約束不履行を防ぐには、養育費の話と併せて面会交流についてしっかりと取り決めを行いましょう。離婚協議書は公正証書で作成しその中に面会交流についても記載することが大切です。
内容は、できるだけ具体的に定めておくほうがよいでしょう。以下の内容などについて、きちんと取り決めておきましょう。


①面会交流の方法(直接会う、電話、メール、手紙など)
②面会日や時間
③面会の頻度
④面会する場所
⑤送迎方法
⑥交通費をどうするか

 

公正証書を作成する場合、基本的に当事者双方が公証役場に出向き、公証人の前で約束内容を確認の上、書類に署名捺印をします。

そのため、当事者間で作った離婚協議書以上に心理的なプレッシャーを感じることが多く、約束を守る可能性が高くなります。

ただし、たとえば養育費などの金銭的な請求権については、「約束を破ったら強制執行に服する」という旨の文言を付けることができますが、面会交流についてはそのような文言を付けることはできません。

 

3.約束を破られた場合

面会交流の約束を相手が守らない場合の対応としては、まずは面会交流調停の申し立てをすることが考えられます。

相手が約束を守らないからといって、自力で勝手に子供を連れだすようなことは絶対にやめましょう。場合によっては、未成年者略取・誘拐などの罪に問われる可能性があります。

調停による話し合いをしても不成立となった場合、自動的に審判の手続きに移行します。そこで家庭裁判所が面会交流を認める決定を出してもらうことで、面会交流の権利があることを確定してもらうことができます。

 

 4.調停や審判の決定にも相手が従わない場合

調停や審判で面会交流が決定したにもかかわらず、相手がそれに従わない場合には、2つの対処法が考えられます。

①家庭裁判所に申し出をして、履行勧告を出してもらう。

履行勧告は、家庭裁判所が、約束を守らない相手に対し、電話を掛けたり書面で通知することにより、面会交流を行うように勧告することです。
この申し出は、簡単に調停、審判を行った家庭裁判所に電話等で申し立てることができます。

 

②家庭裁判所に間接強制の申し立てをする。

間接強制は、面会交流を拒否すると、一回当たりいくらのペナルティーを支払う、という命令を家庭裁判所が出すことで、間接的に面会交流を強制することです。

面会交流については、子供の気持ちなどもあるため直接的な強制執行は認められていませんが、金銭的なペナルティーを与えることによる間接強制は認められているのです。

近年、裁判所は面会交流の重要性を認識しており、間接強制のペナルティーも高額を命じるケースも多くなりました。一度も面会交流の約束を守らないような悪質なケースでは、1回あたり50万円以上のペナルティーを課したケースもあります。

f:id:couple_consultation:20200611131036j:plain

 

別居時に用意する書類に関するご相談

今回は、離婚前に別居を考えている方からのご相談です。

【ご相談】
妻と離婚の話し合いをしており、離婚前に別居しようと考えています。
私が家を出る形になりますが、その際に準備しておいた方がいい書類などはあるのでしょうか。

【アドバイス】
離婚前に別居される夫婦は多いですね。
衝動的に別居してしまうと、必要な書類を別居前の家に置いてきてしまい後から困るようなケースもあります。


離婚の際には様々な書類が必要となります。

主に以下の書類を用意することをお勧めします。

1.収入のわかる資料
離婚前に別居をする場合、別居中も夫婦は婚姻費用を分担する必要があります。
婚姻費用というのは、生活費と考えてもらえば大丈夫です。
婚姻費用は、夫婦それぞれの収入をもとに計算することになります。


そのため、夫婦の収入がわかる資料が必要です。
給与所得者の場合、昨年末に勤務先で発行された源泉徴収票を用意しましょう。
基本的に、源泉徴収票の支払金額の欄に書かれた金額をもとに婚姻費用を計算することになります。

お子さんがいる場合、離婚後の養育費もこの源泉徴収票に書かれた夫婦の年収をもとに計算することになります。

自営業者の場合には、前年度の確定申告書を用意しましょう。

また、家庭裁判所での婚姻費用の調停をする際、給与明細3か月分の提出が必要になる場合があるため、給与明細もきちんと手元に残しておきましょう。

2.共有財産のわかる資料
離婚するときには、結婚期間中に夫婦で協力して築いた財産(共有財産)を分け合うことが必要です。これを財産分与といいます。
財産分与をするためには、共有財産を把握しておく必要があります。
共有財産には様々なものがありますが、主なものについて説明します。


①預貯金
財産分与の際は、通常別居時の残高を共有財産として算定します。別居後に増えた預貯金は夫婦で協力して築いた財産とは考えない場合が多いからです。
通帳の記帳を行い、別居時の残高を確認しておきましょう。

また、自分の口座から引き落とされている固定費の内容を確認しておきましょう。電気代、ガス代、水道代、新聞代、家賃、通信費などがどれだけかかっているかを把握しましょう。婚姻費用を算定するときに、このような固定費を自分が負担している場合には、すでに婚姻費用を分担していることになり別途支払う必要はない可能性があります。

結婚前から持っていた預貯金は原則として財産分与の対象にはならないので、結婚前の時点の残高も把握するために古い通帳なども手元に置いておきましょう。
また、配偶者が預貯金を隠す可能性があるため、配偶者の預貯金の情報(金融機関名、支店名、口座番号、残高など)を記録しておきましょう。

 

②不動産
結婚後の購入であれば、不動産も財産分与の対象となります。
不動産の内容や評価額を把握できる資料を用意しておきましょう。
法務局で取得できる不動産の登記事項証明書、毎年自治体から送られてくる固定資産税課税明細書、不動産購入時の売買契約書や住宅ローンの契約書などを用意しておきましょう。

③生命保険、有価証券
解約すれば解約返戻金を受け取れる生命保険は財産分与の対象になります。生命保険については、解約返戻金の予定額が共有財産を計算するときの評価額になります。

株式などの有価証券も結婚後に取得したものであれば基本的に財産分与の対象となります。 共有財産の評価は、基本的に離婚時の株式の時価となります。

生命保険については保険証券を、株式などの有価証券については証券会社の残高証明書などを用意しておきましょう。

④自動車
自動車については時価が共有財産を計算するときの評価額となります。
時価は、中古車販売店のホームページなどを参照して、同じ車種、年式、走行距離などのものを探してみましょう。
自動車については、車検証の写し一式を用意しておきましょう。

 


3.債務の内容がわかる資料
結婚後の債務がある場合、債務の内容がわかる資料を用意しておきましょう。
多いのは、住宅ローンや自動車ローンでしょう。
ローンを組んだ時の金銭消費貸借契約書や、支払予定表などを一式用意しておきましょう。


債務の残高がプラスの共有財産よりも多い場合には、財産分与は基本的には行いません。
ただし、債務も夫婦で分け合うかというと通常そのようなことはなく、債務者になっている人が一人で債務を引き続き返済することになります。

4.相手が有責の場合、その証拠となる資料
相手に離婚原因がある場合、その証拠となる資料を別居前に集めておきましょう。
別居してしまうと入手するのが困難になります。


たとえば不貞行為があった場合、相手と不貞相手が写った写真、相手の行動を記録した日記、相手と不貞相手のメールのやり取り、不貞相手からもらった手紙やプレゼント、相手が不貞相手と使ったクレジットカードの利用明細など、少しでも役に立ちそうなものは記録を残しておきましょう。


裁判などの証拠としては使えなくても、相手との交渉の際に役に立つこともあります。

f:id:couple_consultation:20200507083046j:plain

 

住宅ローンと財産分与についてのご相談

今回は、財産分与の代わりに住宅ローンを返済してもらえるかについてのご相談です。

【ご相談】
夫と離婚することが決まり、財産分与や養育費について話し合いをしています。
中学生の子供の親権は、私が持つことで合意しています。
今は家族で夫が住宅ローンを返済中の家に住んでおり、離婚後も私と子供がこの家に住みたいと考えています。


夫は、財産分与と養育費の代わりにするのであれば、今後も住宅ローンの返済を続けると言っています。
夫からは、自分の住居も探す必要があるため、それ以外に財産分与や養育費を払うことはできないとも言われています。


私としては子供のためにも今の生活環境をできるだけ変えたくないので、その案に乗ろうかと考えています。
何か問題はあるでしょうか。

 

【アドバイス】
財産分与や養育費の代わりに住宅ローンを支払ってもらいたい、というご相談は結構多いですね。
当事者同士で合意すれば、そのような方法も可能ではあります。
ただし、実は様々なリスクがあるので、慎重に判断する必要があります。

①金融機関との関係や住宅ローン控除の問題
銀行等で住宅ローンを組む際に、本人が居住するという条件で審査をして融資が実行されています。


住宅ローンは通常のローンよりも金利などの条件が優遇されており、それはローンの名義人本人が住んでいる家であればしっかりローンを返済する見込みが高いという理由もあります。


そのため、本人が住所を変更する場合には通常金融機関に申し出る必要があり、その際に金融機関から契約違反を指摘される可能性もあります。(ただ、実際には返済が滞らない限り黙認する金融機関が多いようです。)

また、住宅ローン控除による減税を受けている場合、本人がその家に住んでいなければ控除を受けることができません。ご主人がそのことをきちんと理解していればよいですが、そうでなかった場合に後から思わぬ税金が増えたことでトラブルになる可能性があります。

 

②ローンの支払いが滞るリスクの問題
離婚の際はご主人がきちんとローンを返済すると話していても、今後のご主人の状況により、その約束が守られる保証はありません。
自分が住んでいない家のローンを払い続けるのは、通常気の進むものではありません。


特に、ご主人が離婚後に再婚した場合には新たな家族との生活を優先する可能性が高いでしょう。
離婚から年月が経ち、関係性が希薄になればなるほど返済が滞るリスクは高まります。
しかも、相談者さんはご主人が返済を続けているのかどうか当事者ではないため把握することができません。

万一ご主人のローンの返済が滞ると、金融機関は抵当権を実行して、自宅が競売にかけられるなどということが起こります。そうなると、相談者さん親子は家を出ていかなければならなくなります。
ご主人の自主的な支払いに委ねるのは、リスクが高いと言わざるを得ません。

③家の名義の問題
家の登記の名義は、ご主人一人であると想像します。
そうすると、あくまでもこの家はご主人のものであり、相談者さんがいくら住み続けても相談者さんの財産になることはありません。

離婚する際に名義を妻(相談者さん)に変えればいいと思うかもしれませんが、ローン返済中であればそれは金融機関が簡単には認めてくれません。
金融機関に無断で名義を変えると、契約違反としてローンの一括返済を求められるリスクもあります。

ローン返済後に名義を変えればいいと思うかもしれませんが、離婚から長い年月が経った後にご主人がそれに応じてくれる保証はありません。
また、離婚から時間が経っているため、名義を変えるには贈与税が課税される可能性が高いでしょう。

ご主人のものであるということは、家をどのように処分するかはご主人の権限で決めることができます。
ご主人が売却したいと思えば、相談者さんはそれを止めることはできません。
いつまで家に住み続けられるのか不安定な立場となってしまうのです。

また、将来的にご主人が死亡して相続が発生したとき、お子さんはご主人の相続人となりますが、相談者さんは相続人になりません。
ご主人が再婚していなければお子さんが家を相続できることになりますが、再婚していれば妻や子供も相続人となります。
ご主人がお子さんにこの家を相続させるという遺言を残してくれればよいですが、そうでない場合にはほかの相続人と遺産分割協議をしなければなりません。

確実に家を自分の名義にしたいのであれば、お金を貯めてご主人から家を買い取るなどの方法しかありません。


以上のようなリスクや問題があるため、慎重に考えた方がよいでしょう。
相談者さんが、期間限定であと3年だけこの家に住みたい、というような場合にはよい方法かもしれませんが、長期にわたる場合にはリスクが多いためあまりお勧めできる方法ではありません。


期間限定で妻と子供が夫名義の家に住み続ける場合には、その旨の契約書を作っておきましょう。
たとえば、お子さんが高校を卒業するまでの間にご主人との賃貸借契約を結び、それまでの間、事実上養育費の代わりに住宅ローンを支払うという内容の契約を結ぶことなどが考えられます。

このような特殊な契約を含めた離婚協議書を作るには、なるべく弁護士に相談した方が安心です。

f:id:couple_consultation:20200507081828j:plain

 

離婚前の別居についてのご相談

今回は、離婚前の別居についてのご相談です。


【ご相談】
妻との離婚を考えています。
離婚自体は妻も同意していますが、子供もいるので色々と条件を決めるまでには時間がかかりそうです。
ただ、すでに夫婦関係は最悪なので、一緒に暮らすことはお互いにとってストレスでしかありません。
私はすぐにでも別居したいと思っていますが、別居することで不利になることはあるのでしょうか。
また、別居すると家賃などのお金が余分にかかりますし、妻に家事をやってもらうわけでもないので、今まで払っていた生活費を払いたくないのですが払わない方法はありますか?

 

【アドバイス】
離婚前に別居をする夫婦は沢山いらっしゃいますね。
別居にはメリットもありますが注意点もあります。
私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

1.一方的な別居は問題になる
別居をする場合の注意点として、一方的に別居することは避けましょう。
夫婦には同居する義務がありますので、相手の同意なく一方的に別居をすると、「同居義務違反」となってしまいます。


そうなると、離婚原因の一つである「悪意の遺棄」という認定がされてしまうことがあります。


悪意の遺棄とは、夫婦の義務である、同居・協力・扶助の義務を怠ることです。
悪意の遺棄と認められた場合、慰謝料の請求をされてしまう可能性もあります。


いきなり家を出てしまうようなことはせず、まずは奥様ときちんと話し合いをしましょう。
双方が薄々別居を望んでいるような状況であっても、後から一方的な別居だったと言われないように、きちんと話をしてから出ていく方が安全です。

 

ただし、一方的な別居であっても、DV被害などがある場合には同居義務違反の問題は起こりません。そのような場合は、一刻も早く身の安全を図ることが大切です。

 

2.別居中も婚姻費用を分担する必要がある
別居をすると、通常今までよりも生活費が余分にかかりますし、家事も各自でやることになります。
そのため、今まで通りの生活費を払うことに抵抗を感じるというお気持ちは理解できます。


ただし、別居中の夫婦であっても、婚姻費用を分担する義務があります。
相談者さんの収入と奥様の収入にもよりますが、相談者さんの収入のほうが高い場合は婚姻費用を払う義務がある可能性が高くなります。


婚姻費用をいくら払うべきかは、家庭裁判所が採用する算定表を利用することで、簡易な計算が可能です。
相談者さんの収入、奥様の収入、お子様の人数、年齢の情報により計算できるような仕組みになっています。


もし配偶者から婚姻費用分担調停を申し立てられた場合、この算定表通りの婚姻費用が認められる可能性が高くなります。

 

ただし、お互いが納得しているのであれば、婚姻費用を払わないと取り決めることも可能です。
いずれにせよ、別居する前に婚姻費用についてはきちんと話し合っておくことが大切です。


3.親権を望む場合、別居すると不利になる
お子様がいらっしゃるということですが、もし相談者さんが親権者になることを望んでいる場合、子供と別居すると親権争いで不利になってしまいます。


親権者を決めるときに、今の環境に問題がない場合には、子供の環境を変えずに今一緒に暮らしている親を親権者にする方がよいという考え方をされるためです。


元々親権については、母親の方がかなり有利というのが実情です。
相談者さんが子供の親権を取りたい場合には、子供を連れていく方が有利になりますが、勝手に子供を連れて出ていくことは「違法な連れ去り」とみなされる可能性もありますのでやめましょう。


離婚するまでどちらが子供と生活する監護者になるか決められない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて子供の監護者を決める方法もあります。


4.別居をすると、離婚成立まで長引くケースもある
別居によってお互いに余分なストレスを感じずに済むなどのメリットがありますが、かえって離婚成立まで長引くケースもあります。


上述したように、別居中も夫婦には婚姻費用を分担する義務があります。


そのため、婚姻費用を受け取る側は、婚姻費用をもらい続けるためにあえて別居のまま離婚せずにダラダラと長引かせようとするというケースも見受けられます。


最初は離婚に同意していた配偶者であっても、別居してから気が変わり、このまま離婚せずに別居生活を続けたいと考える可能性もあります。


離婚前の別居をする場合、ある程度タイムスケジュールを立てたうえで計画的に実行することをお勧めします。
当事者同士の話し合いが長引きそうな場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てるとよいでしょう。

 

5.別居するまでに財産の確認を
離婚するときには共有財産を分け合う財産分与をすることになります。
別居のために家を出る場合、財産の状況を把握することが難しくなります。


そうなると、配偶者が財産を隠してしまったり、勝手に処分してしまうというリスクもあります。
そのようなことを避けるために、別居前に財産の状況を把握し、証拠となる書類などは確保しておきましょう。

f:id:couple_consultation:20200409153304j:plain

 

離婚するときのペットについてのご相談

今回は、離婚時のペットに関するご相談です。

 

【ご相談】
私たち夫婦には子供はいませんが、ペットの犬を子供同然に大切にしてきました。
もうすぐ離婚することになりましたが、このペットについて相談させてください。
ペットは私が引き取りたいと思っておりますが、まだ夫ときちんとした話し合いはできていません。
この場合に、私が引き取ることをどのように主張すればよいでしょうか。また、ペットにかかる飼育費を夫に請求することはできますか?
エサ代、トリミング代、病院代、ペット保険代などで毎月5万円は軽く超えるため、できれば半分負担してもらいたいと考えています。

 

【アドバイス】
ペットは今や家族同然の大切な存在ですね。
私にできるアドバイスをさせて頂きます。

 

1.ペットは法律上は「モノ」の扱いになる
ペットを子供同然に可愛がっておられる相談者さんにとっては残酷かもしれませんが、ペットは法律上は「モノ」の扱いになります。
たとえば、ペットを奪った場合でも、「誘拐罪」にはならず、「窃盗罪」になることからもお分かりいただけるかと思います。

 

ペットは物であるため、結婚期間中に夫婦で飼い始めた場合には「共有財産」となり、財産分与の対象となります。
つまり、預貯金などと同じように、財産として分けることになるのです。
ペットの場合は、預金などと違って半分ずつにすることはできませんから、夫婦のどちらか片方が引き取ることになります。

 

なお、結婚前から夫婦のどちらかが飼育していたペットの場合には、財産分与の対象とはならず、もともと飼育していた人の所有物ということになります。

 

相談者さんのペットは結婚後に飼いはじめたということであれば、財産分与の話し合いでペットをどちらが引き取るか決めることになります。

 

結婚前から相談者さんが飼っていた場合には、話し合う必要もなく相談者さんが引き取ることができます。


万一、結婚前からご主人が飼っていた場合には、ご主人の所有物になりますので、ご主人が望まない限りは相談者さんが引き取ることはできません。

 

2.養育費のようなものはない
ペットは物として扱われ、子供と同様には法律上扱われません。
そのため、子供の養育費にあたるようなものは残念ながらペットにはありません。
相談者さんのペットのように毎月5万以上の飼育費がかかる場合でも、ペットが病気になって多額の治療費がかかった場合でも、引き取った人が一人で負担することが原則です。

 

ただし、これはあくまで法律上の根拠はないという話なので、当事者間でペットの飼育費を分担する契約をすることは問題ありません。
相手が拒否した場合には、法律上支払いを請求することはできないということです。

 

また、養育費がないことと同様、子供と離れて暮らす親が子供と面会する権利である「面会交流権」もペットの場合にはありません。
ただし、これもあくまで法律上の根拠はないということです。


たとえば、飼育費を一部支払ってもらうことを条件に、毎月ペットと面会させるという約束をすることも当事者間で合意すれば可能です。
そのような合意をした場合には、合意書などを作成し、合意内容を明確にしておきましょう。

相談者さんがご主人に飼育費を請求できるかどうかは、ご主人のペットに対する思い入れの程度によるところが大きいでしょう。

 

3.ペットをどちらが引き取るかの決め方
当事者同士の話し合いでどちらが引き取るかを決めるのが基本です。
その際、次のようなことをポイントにするとよいでしょう。

 

①飼育する時間があり、環境が整っているか
②飼育費を無理なく負担することができるか(高齢になり医療費が高額になった場合も問題ないか)
③ペットがどちらになついているのか
④これまで主にどちらが世話をしていたのか

 

ペットは法律上は物になりますが、どちらが引き取るかを考えるときには「子供」と同じように考えてあげるとよいのではないでしょうか。

 

ペットにとってどちらが飼育者として適しているのか、自分たちの感情だけではなく、客観的に判断することが大切です。

相談者さんがご主人に引き取ることを主張する場合にも、上記のポイントを踏まえて、ペットにとって相談者さんが引き取った方が幸せに過ごせることを説明するとよいのではないでしょうか。

 

大変失礼ですが、もし相談者さんがペットを一人で飼育する経済力がない等、ペットを飼育できる環境でない場合には、ご主人に譲るということも検討してみる必要があります。
子供と違って養育費を請求できない分、現実的に判断する必要があります。

 

どうしても双方が譲らず、自分が引き取りたい場合には、他の財産を多めに相手に譲るなどの交渉を考える必要があります。

相談者さんご夫婦のように子供同然にペットを可愛がってきた場合、当事者同士の話し合いが長引くことも多々あります。
当事者同士の話し合いで決められないときは、ほかの財産の場合と同様、家庭裁判所に財産分与の調停を申し立てることになります。

f:id:couple_consultation:20200408085428j:plain

 

面会交流についてのご相談

今回は、離婚後の面会交流についてのご相談です。

 

【ご相談】

夫と離婚することになり、子供の親権は私がとります。

養育費についても話し合いでなんとか合意することができました。

ただ、一つ問題が残っています。

離婚後に夫からは毎月子供に会いたいと言われていますが、私は会わせたくありません。

私に対するモラハラなどが原因で別れますので、もう夫との接点を持ちたくないのです。

夫に子供を会わせないとまずいのでしょうか?

 

【アドバイス】

離婚後にご主人と子供を会わせたくないとおっしゃる方は多いですね。

私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

1.面会交流の意義と決め方

離婚して子供と一緒に暮らさなくなる親には、子供と会ったり、電話や手紙などで連絡を取ったりして子供と交流する権利があります。

これは親にとっての権利であると同時に、子供にとっての権利でもあります。

親子であれば、交流したいと思うのは自然な感情です。

 

離婚する際、面会交流についてもしっかりと取り決めておくことで後日のトラブルを防止できます。

面会交流をさせるか否か、させる場合にはその方法、日時、場所、回数などについて具体的に決めておくことが大切です。

決めた内容は文書にして、双方の署名捺印をして残しておきましょう。

 

当事者間の話し合いで合意できない場合には、面会交流を求める親が家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

調停では、調停委員がそれぞれの当事者から話を聞いて、面会交流の可否や方法などについて助言や提案をしていきます。それにより当事者が納得する結論が導き出されれば、調停成立となります。

 

調停でも双方が合意できない場合には、審判の手続きに移行し、審判では裁判官が判断を下すことになります。

 

2.面会交流を拒否できるケース

面会交流は基本的には親と子の権利ですので、子供の親権者が拒否することは難しいです。

家庭裁判所も、現在は面会交流の重要性を認識しており、多くの場合面会交流は認められています。

 

ですが、例外的に拒否できるケースもあります。

それは、面会交流させることが「子供の福祉に反する場合」です。

そのような場合は、家庭裁判所も面会交流をさせない判断を下すことになります。

 

子供の福祉に反する場合というのは、子供にとって有害である場合のことです。

たとえば、子供に暴言や暴力をふるうような親と交流させることは、子供の身を危険にさらすことになります。

他にも、アルコール依存症や薬物中毒の親なども子供に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

このような場合は、面会交流を拒否できるでしょう。

 

ご相談さんの場合は、妻へのモラハラがあったようですが、それだけで子供との面会交流を拒否することは難しいと考えられます。

 

次に、子供がある程度の年齢に達していて分別がある場合に、子供自身の意思で「会いたくない、交流したくない」という場合です。

ただ、これには注意が必要で、子供が本心から言っているのかはよく見極める必要があります。

子供は親に気を遣うことがあり、親が会わせたくないと思っていることを察して、会いたくないと言っている場合もあるからです。

 

ご相談者さんのお子さんの年齢がわかりませんが、子供の意見も聞いてみてください。

 

3.面会交流をさせるべき理由

離婚するほどの相手ですから、子供に面会交流をさせたくないと思う気持ちは理解できます。

ですが、子供の立場で考えたとき、本当に面会交流を妨げることが正しい選択なのかは冷静に考えてみましょう。

 

子供は両親の離婚で傷ついてしまうことがほとんどです。

子供の健全な育成を考えたとき、たとえ両親が離婚したとしても、両親双方からの愛情を感じられる環境はとても大切です。

面会交流を続けることで、たとえ両親が離婚しても、自分への愛情は変わらないと感じることができれば、子供の精神は安定するのではないでしょうか。

もし自分にとっては良い伴侶でなかったとしても、子供にとって悪い親とは限りません。

客観的に子供との関係性はよく見極めることが大切です。

 

また、面会交流の有無が養育費の問題に影響を与えることが多々あります。

養育費の取り決めをしていても、不払いになるケースはとても多いです。

特に、子供と面会交流していない親は不払いになりやすい傾向があります。

 

まったく交流のない子供に対し、同居していたころと同じように責任感や愛情を維持することができる親は多くはないのかもしれません。

 

定期的に面会交流を続けていれば、養育費を払っていないと子供に合わせる顔がない、という気持ちになることも想像がつくでしょう。

 

そのような意味でも、面会交流はできるだけさせるべきだと考えます。

 

■まとめ

面会交流は、基本的には拒否することは難しいものです。

子供の立場に立った時、面会交流させないことが本当に正しい選択なのかは冷静に判断しましょう。

また、養育費の不払い防止の効果を期待できるという意味でも、面会交流はできるかぎりさせてあげましょう。 

 

 

f:id:couple_consultation:20200321141142j:plain

 

養育費の計算についてのご相談

今回は、養育費の計算についてのご相談です。

 

【ご相談】

夫と離婚することが決まりましたが、養育費をどうするかで夫と意見がまとまりません。

6歳の息子と4歳の娘がおり、私が親権を取って育てていくことは決まっています。

私としては、子供一人につき月5万円で合計月10万円を払ってもらいたいと思っていますが、夫は一人につき3万円くらいが相場だから、合計月6万円までしか払えないと言っています。

どのように養育費を決めれば公平になりますか?

なお、私の年収は200万円程度、夫の年収は600万円程度で、お互い会社員です。

 

 

【アドバイス】

離婚が決まり、養育費について話し合いをされているのですね。

離婚成立前に養育費についてしっかり話し合いをすることはとても大切です。

では、私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

1.養育費の基本的な考え方

養育費は、子供が成熟するまで(基本的には20歳になるまで)の間、父と母で分担して負担するべきものです。

 

養育費を決めるルールは特になく、夫婦間で納得していれば自由に決めることができます。

養育費は、子供が離婚前と同水準の生活を送れるような内容にすることが理想です。

養育費は、「生活保持義務」に基づくものだからです。

生活保持義務とは、自分の生活と同じレベルの生活を保持させる義務のことです。

 

離婚前の子供の生活水準を考え、子供の衣食住にかかる費用、進学の予定、習い事など子供の養育にかかる費用全般を計算してみましょう。

そして、その金額を夫婦の収入などに応じて分担します。

 

たとえば、子供一人の養育に月9万円かかると考えた場合、その9万円を父と母の収入のバランスに応じて負担する金額を決めます。

 

父の収入が母の収入の2倍であれば、父6万、母3万の分担として、養育する母に対し、父が毎月6万円支払う、というように決めることもできます。

 

ご相談者さんの場合も、まず子供の養育にかかる月額を具体的に算定してみて、その金額をご主人と相談者さんの収入割合に応じて分担額を出してみてはいかがでしょうか。

 

ただし、これはあくまでも計算方法の一例であり、収入と養育費の分担割合を同じにしなければいけないという決まりがあるわけではありません。

 

2.養育費を計算するときの算定表

養育費は請求する側は高い金額を求め、支払う側は低い金額を求めることが普通で、お互いの利益が対立します。

そのため、当事者の意見だけで金額の折り合いをつけるのは難しいことが多いです。

 

そのような場合、家庭裁判所でも採用されている、養育費の算定表を用いて目安となる金額を調べてみましょう。目安となる金額がわかれば、話し合いがしやすくなります。

この方法であれば、お互いにある程度の公平感を感じられるのではないでしょうか。

 

算定表は、請求する側の年収と職業(自営業か会社員か)、支払う側の年収と職業、子供の人数と年齢を基にして計算します。

 

今は、この算定表に基づいて養育費を自動計算できるツールもありますので、それを使うとより簡単に養育費を算出できます。

 

たとえば、以下の自動計算ツールも便利です。 

養育費計算ツール2021年版|【新】養育費算定表と算定方式も解説! - 離婚・浮気・不倫の慰謝料請求に強い弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所

 

この自動計算ツールでご相談者さんの養育費を算定してみます。

 

①子供の人数と年齢の欄に、一人目「0~14歳」にチェック、二人目「0~14歳」にチェック、三人目「無し」にチェックを入れます。

②次に権利者の職業と年収の欄に、権利者=相談者さんの年収「200」万円を入力、職業「会社員」にチェックを入れます。

③最後に義務者の職業と年収の欄に、義務者=ご主人の年収「600」万円を入力、職業「会社員」にチェックを入れます。

 

そして、「養育費を計算する」をクリックすると、8~10万円という結果が出てきました。

 

ご相談者さんのケースでは、月8~10万円の養育費が相場ということになります。

ご相談者さんの求める一人5万円で合計10万円という金額は、相場から見ても妥当である可能性が高いでしょう。

ご主人が口にしていた相場は3万円というのは、年収などの条件を無視したものだと思われます。

 

ただ、ご主人の意見や事情もよく聞いてみる必要があります。

たとえば住宅ローンの有無などによっては、月々10万円の支払いが現実的でない場合も考えられます。

実現性の低い約束をしても、あまり意味がありません。

そのような場合は、お互いに歩み寄り、たとえば月8万円にするなども検討してみましょう。

 

ご主人には、子供の養育にかかる費用を具体的な根拠を説明したうえで、この算定結果を見せて話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

3.話し合いで決められない場合 

算定表の金額を目安にしても双方またはどちらかが納得できず、このまま養育費の折り合いがつかない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てをすることになります。

 

調停では、家庭裁判所の調停委員が当事者の意見や事情を聞いて、養育費についての助言や提案をしていきます。そして、話し合いの結果双方が納得する結論が出れば調停成立となります。

 

ただ、調停になった場合でも、特殊な事情がない限り調停委員は基本的には算定表通りの金額を提案してくることがほとんどです。

 

それであれば、はじめから算定表にしたがって養育費を決める方がお互いにとって手間や時間をかけずに済むのではないでしょうか。

 

調停が不成立になった場合は、「審判」という手続きに移ります。

審判では、当事者が納得していない場合でも、裁判官が当事者の事情を考慮の上、判断を下すことになります。

審判の場合でも、算定表どおりの結果になることがほとんどです。

 

4.養育費が決まったら

養育費についての話し合いがまとまった場合、その合意内容を文書にすることが大切です。

養育費は、長期にわたって支払いが続くものなので、口約束では支払われなくなってしまうリスクがとても高いのです。

養育費が支払われなくなった場合に、証拠となる合意文書が必要となります。

 

文書には、次の点を具体的に記載しましょう。

①子供一人一人の養育費の金額・・・まとめていくらという書き方ではなく、具体的に、○○(子供の名前)に月いくら、というように一人一人について記載しましょう。

②養育費をいつまで支払うか(期間)

③養育費の支払い時期・支払い方法

④特別費の負担について・・・特別費とは、進学時の入学金など、不定期に発生する費用のことです。この費用をどうするかについても、できるだけ決めておくことが望ましいです。

 

文書は、できるかぎり「公正証書」で作成することをお勧めします。

公正証書は、公証役場という公的機関で作成され、保管されるもので、自分たちで作成した私文書よりも強力な証拠として認められます。

 

また、公正証書には「強制執行認諾文言」という、約束を破ったら強制執行することを認めます、という意味の文言を付けることができます。

これを付けることで、万一養育費の不払いが起きたとき、裁判を行わずに相手の財産を差し押さえることができます。

 

このため、公正証書を作っていれば、相手にとってはプレッシャーとなり、安易な気持ちで不払いとなることを防ぐ効果もあります。

 

■まとめ

養育費は生活水準などに合わせて自由に決めることができますが、お互いの意見が一致しない場合は算定表を目安にすると双方が納得しやすくなります。

 

仮に調停等の家庭裁判所の手続きになった場合でも、算定表通りの結論となる可能性が高くなります。

 

養育費が決まった場合、その合意内容を必ず文書にしましょう。

 

 

 

 

 

f:id:couple_consultation:20200319163522j:plain

 

 

 

 

性格の不一致で離婚するには

今回は、離婚理由で最も多い、「性格の不一致」による離婚について書いてみようと思います。

 

1.性格の不一致で離婚するには

性格の不一致と一言で言っても、その内容は多岐にわたります。
たとえば、相手と家事や育児に対する考え方が合わない、金銭感覚が合わない、性生活に不満がある、喧嘩っ早い性格にストレスを感じる、相手の過干渉に不満等々千差万別です。

 

性格の不一致を理由に離婚する場合、多くが「協議離婚」による離婚をすることになります。

協議離婚であれば、離婚理由はどんなものであっても構わないからです。

双方が「性格の不一致」を感じており離婚したいということであれば、あまり揉めることなく離婚できるケースが多いです。

 

お互い離婚すること自体は合意しているけれど、離婚の条件が折り合わない場合などは、離婚調停を申し立てることが多くなります。

例えば、財産分与、子供の親権、養育費等の条件が折り合わないことはよくあります。そのような場合、二人での話し合いでは埒が明かないので、調停を申し立てることが考えられます。

 

問題になるのは、片方は性格の不一致を理由に離婚を望んでおり、もう片方は離婚を望んでいない場合です。

単なる性格の不一致は、法定離婚事由(法律上離婚が認められる事由)ではないため、調停から裁判まで進めたとしても、離婚は簡単に認められません。

 

2.相手の意に反して「性格の不一致」による離婚をするには

では、相手が離婚に同意してくれない限り、性格の不一致を理由とした離婚は絶対に認められないのでしょうか。

必ずしもそうとは限りません。

裁判所の考え方は、現在離婚に関して「破綻主義」をとっています。

夫婦関係が実体的に破綻して回復不能な状態になっているのであれば、元々の原因にこだわらずに離婚を認めるという考え方です。

性格の不一致の場合でも、夫婦の状況次第では、法定離婚事由である、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するとして、離婚が認められる可能性もあるのです。

 

とはいえ、夫婦のどちらかが性格の不一致を感じているだけで離婚が認められることはありません。

性格が合わないことが原因となり、喧嘩が絶えない、もしくは一切コミュニケーションを取らない等の状態が続き、双方がそれを修復するための努力をしておらず、もう修復できる可能性がない程度まで夫婦仲が悪化していなければ認められることはないでしょう。

 

3.別の理由が複合的に存在するケースも多い

性格の不一致をどちらか、または双方が感じている場合、ほかの離婚原因もある場合も多いです。

 

たとえば、相手に不満があると次のような問題が起こりえます。

・不貞行為に走る。

・生活費を負担しなくなる。

・家事育児に協力しなくなる。

・モラハラ、DVをするようになる。

不貞行為は離婚事由となります。

生活費を負担しないことや家事育児に協力しないことは夫婦の扶助協力義務を果たさないこととなり、「悪意の遺棄」という離婚事由になる可能性もあります。

モラハラ・DVは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」として離婚事由となりえます。

 

結果的に、はじめは単なる性格の不一致であっても、離婚原因となりうる別の問題が発生することも多いのです。

 

また、相手側が突然「性格の不一致」を理由として離婚したいと言ってきた場合も要注意です。

実は離婚したい本当の理由は、不貞相手と一緒になりたいからなどというケースもあります。

 

4.性格の不一致で離婚する場合のお金の問題

①慰謝料

単に性格の不一致で離婚する場合、どちらか一方に非があるわけではないので、慰謝料が発生することはありません。

ただし、性格の不一致を発端に、不貞行為やモラハラ・DVなどの問題が起きた場合には、慰謝料が発生します。

 

②財産分与

財産分与は、結婚期間中に夫婦で協力して築いた財産を分け合う制度で、離婚理由に関係なく発生します。

性格の不一致を理由とする場合にも当然発生しますので、お互いが離婚に合意した場合はどのように財産を分けるか話し合うことになります。

 

③養育費

養育費も離婚原因と関係なく発生するものです。離婚する場合にはきちんと取り決めておくことが大切です。

 

5.一方的な別居には要注意

性格の不一致を感じている場合、一緒に暮らすことが苦痛となることも多いでしょう。

そのような場合、相手と話し合わずに勝手に別居に踏み切ってしまうケースも多くみられます。

「数年別居すれば、夫婦関係の破たんとみなされて離婚が認められる」と安易に考えてしまう場合も多いようです。

ですが、夫婦には同居の義務があります。(仕事のための単身赴任や、夫婦で合意している場合は別です)

一方的な別居は、夫婦の同居義務違反となります。

慰謝料を請求されたり、別居中の婚姻費用の請求が難しくなったり、子供と別居になれば離婚時の親権争いで不利になったりと、自分自身が不利益を被る可能性もあります。

別居する場合でも、相手との話し合いはきちんとしてからのほうがよいでしょう。

 

 

f:id:couple_consultation:20200211161057j:plain

 

 

 

 

 

 

突然離婚を切り出された方のご相談

今回は、突然夫から離婚を切り出された方からのご相談です。

 

【ご相談】

突然夫から離婚したいと言われ頭が真っ白になりました。

時々喧嘩はするものの基本的には夫婦仲は良好と思っていたので、青天の霹靂です。

理由を聞くと、私の気の強さや家事が雑なところに嫌気がさしたと言われました。

子供もいるし夫への気持ちがあるので私は離婚したくありませんが、離婚しなければいけないのでしょうか。

 

【アドバイス】

突然ご主人から離婚を切り出され、さぞ困惑されていることと思います。

私のできるアドバイスをさせていただきます。

 

1.離婚しなければいけないのか

相手から離婚を求められても、応じなければいけないことはありません。

相手から返事を急かされたとしても、すぐに答えを出さなければいけないものでもありませんし、慎重に考えるべきです。

ただし、離婚に応じなかった場合には、相手は離婚調停を申し立てるかもしれません。

調停も基本的には当事者の話し合いの場ですから、あなたが離婚を拒否すれば離婚は認められません。しかし、法律上離婚が認められる「法定離婚事由」が存在する場合には、裁判などへ進んでいき離婚が認められてしまいます。

 

とはいえ、些細なことでは一方の意思に反する離婚は認められません。

相談者さんの文面を見る限り、「法定離婚事由」で該当する可能性がわずかにあるのは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」だと思いますが、修復できないレベルまで夫婦関係が破たんしている状況とは客観的には見られないでしょうから、裁判まで進んだとしても離婚が認められる可能性は低いでしょう。

 

万一、相談者さんの「気の強い」というのが、相手にDV・モラハラをしていたりするのであれば状況は異なり、離婚が認められる可能性は高くなります。

 

2.どのように対応するべきか

相手から突然離婚を切り出されると、動揺したり感情的になってしまうことが多いですが、できるかぎり冷静になることが大切です。

離婚したいと言っている相手に対し、こちらが感情的な対応をすると、相手はさらにヒートアップしてますます離婚への気持ちが加速してしまう危険があります。

 

①相手の言い分をよく聞き、改善する努力を

「離婚したい」と相手が言っていても、熟考の末の発言なのか、一時的な感情なのか、その真剣さの度合いはわかりません。

相手が自分に対して抱いている不満があれば、それに耳を傾け、改善する努力をすることも有効です。

そこで強く言い返したりすることは逆効果となります。

修復を目指すのであれば、理不尽な要求でない限りは自分の言動を改めることが必要です。

 

②円満調停

相手と二人で話し合いができない場合、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」を申し立てるという方法もあります。

この調停は、円満な夫婦関係を回復するためのもので、調停委員から解決案などを提示してもらえます。

ただ、相手が調停の場に出席してくれなければ出席を強制することはできません。

 

3.気を付けることは何か

相手から離婚を求められたときに、気を付けることがあります。

 

①離婚届不受理の申し出

相手が勝手に離婚届けを書いて提出してしまう可能性がありますので、役所の戸籍課で離婚届不受理の申し出をしておきましょう。

この申し出をしておくと、相手が勝手に離婚届けを出しても受理されません。

 

②別居

相手が一方的に離婚に踏み出してしまわないように気を付けましょう。

別居をして年数がたつと、夫婦関係が破たんしているとして、離婚が認められてしまう可能性があります。

近年、裁判所は、実質的に破たんしている夫婦には離婚を認めるべきという「破綻主義」の考え方をとっており、長期の別居は離婚原因となりうるのです。

万一相手が勝手に家を出てしまった場合には、生活費も払わなくなる可能性があります。その場合には、「婚姻費用分担請求」の調停を家庭裁判所に申し立てましょう。

 

③本当は別の理由が隠されていないか

何の前触れもなく離婚を切り出された場合、実は本当は別の理由があって離婚を望んでいる場合もあります。

たとえば、性格が合わないから離婚したいと言いながら、実は不倫をしていてその相手と一緒になりたいから離婚したいというケースもあります。

相手をよく観察し、別の理由が隠されていないかも注視しましょう。

万一不貞行為などがある場合、慰謝料請求なども検討することになります。

 

④財産隠し

相手から離婚の申し出があった時、実は相手は用意周到に離婚の準備を進めていた、ということもあり得ます。

離婚する場合、結婚期間中に築いた財産を分け合う「財産分与」をすることになりますが、それに備えて財産隠しを着々と進めている場合もあります。

財産の流れはきちんと把握しておきましょう。

 

 

まとめ

相手から離婚を切り出された場合、冷静に対応することが大切です。

性急に結論を出さなければいけないことではありませんので、まずは「すぐには答えられない」と伝えればよいでしょう。

相手の話をよく聞き、相手の言動を冷静に観察しましょう。

相手があまりに急いでいる場合、別の理由が隠されている可能性もありますので、その点も留意しましょう。

 

f:id:couple_consultation:20200210113403j:plain

 

ギャンブル依存症についてのご相談

今回は、ギャンブル依存症のご主人との離婚を考えている方からのご相談です。

 

【ご相談】

私の夫はギャンブル依存症だと思います。

給料のほとんどをギャンブルに使ってしまい、生活費はほとんど受け取っていません。

ギャンブルのために借金もしており、もうギャンブルはやめてほしいと繰り返し頼んできましたが聞く耳を持ちません。

このままでは自分や子供の将来が心配なので、離婚したいと思っています。

相手のギャンブルを理由に離婚することはできるのでしょうか。

 

【アドバイス】

ご主人がギャンブル依存症とのことで、とても不安で苦しい思いをされていることと思います。

私にできるアドバイスをさせて頂きますね。

 

1.ギャンブル依存症とは

依存症は脳の病気で、ギャンブル依存症は本人がギャンブルを止めようとしても止められない状態です。

 

止めさせるためには、家族のサポートが不可欠です。

お辛い状況とは思いますが、まだやり直せる余地が少しでも残っているのであれば、家族として次のような対応を検討してみてください。

 

①医療機関を受診させ、適切な治療を受けさせる。

②ギャンブルに使うお金を引き出せないように銀行口座などを管理する。

③ギャンブル以外に関心を持たせるために、家族ででかけたり健康的な趣味を一緒に行う。

④ギャンブル依存症の問題に取り組む自助グループなどに参加させる。

 

ギャンブルを止めない配偶者にいら立ち、強い言葉で責めてしまったり、四六時中行動を監視しようとしてしまいたくなるかと思いますが、そのようなことをすると逆効果となる場合が多いようです。

また、ギャンブル依存症は本人だけでなく、ご家族の心のケアも大切です。

無理なさらず、状況に応じて心療内科を受診したり、ギャンブル依存症の家族を持つ人たちのグループに参加するなども検討してみてください。 

 

2.ギャンブル依存症を原因に離婚ができるか

家族がサポートしてギャンブル依存を治す努力をしても、本人に治す意志がなかったり、途中で挫折してしまうなどして改善しないことも残念ながら多いです。

それくらい、依存症は恐ろしいものです。

 

では、ギャンブル依存症を理由に離婚は認められるでしょうか。

 

離婚は夫婦で納得すればどんな理由でもすることが可能ですが、どちらかが離婚を拒否する場合には、民法で認められた「法定離婚事由」がなければ離婚することができません。

 

法定離婚事由の中に、「ギャンブル依存症」はありませんが、ケースによっては「婚姻を継続しがたい重大な事由」または「悪意の遺棄」に該当するとして、離婚が認められることがあります。

 

「悪意の遺棄」というのは、夫婦としての義務である「同居して互いに協力して扶助する」義務を守らないことです。

 

ギャンブル依存症の場合、自分の収入をほとんどギャンブルにつぎ込んで生活費を払わなかったり、家族の貯金を使い込んだりして「協力、扶助」の義務を怠っていると認められることがあります。

 

「婚姻を継続しがたい重大な事由」は、単に配偶者が「ギャンブル依存症」というだけでなく、「ギャンブル依存症」が原因で夫婦関係が破たんしていて回復の見込みもない、という状態になっていれば離婚が認められることとなります。

 

3.離婚が認められやすいケースとは

ギャンブル依存症の配偶者との離婚が認められやすいのは、次のような事情があるケースです。

 

・ギャンブルのために多額の借金をし、家族の預金にも手を付けている。

・給料の大半をギャンブルに使って、生活費を払わない。

・ギャンブルを止めるように諭すと暴言や暴力をふるったりして聞く耳を持たない。

・一時的、少額でなく、長期にわたり多額のお金をギャンブルに費やしている。

 

相談者さんのご主人の場合も、給料の大半をギャンブルに費やしており、生活費をほとんど渡しておらず、相談者さんが止めても聞く耳をもたないということなので、離婚が認められる可能性は比較的高いケースでしょう。

 

4.離婚する場合の注意点

ギャンブル依存症の夫との離婚を決心した場合に、注意すべきことがあります。

 

まず、ギャンブルのために借金をしている場合に、自分が連帯保証人などになっていないかを確かめましょう。

連帯保証人になっていると、夫と同様に借金の支払い義務があり、これは離婚しても逃れることはできません。

ギャンブル依存症の夫は家族の実印などを勝手に使って、家族の名前で借金をしているといった悪質なケースもあります。

もしこのようなことがあれば、自分で対処することは難しいので弁護士に相談した方がいいでしょう。

悪質な貸金業者から借り入れがあるような場合は特に危険です。

 

また、養育費や財産分与の取り決めについては、きちんと公正証書を作成しておいた方がよいでしょう。

 

まとめ

ギャンブル依存症の配偶者との離婚は、相手が拒否した場合でも程度によっては法律上離婚が認められる理由となりえます。

離婚を考える場合、離婚できるかどうかの検討に加え、自分たちが金銭的なトラブルに巻き込まれないように借金の内容なども確認しましょう。

一刻も早く縁を切りたい、という気持ちになりがちですが、できるだけ冷静に対処し、養育費等についてもきちんと取り決めることが大切です。

 

 

 

f:id:couple_consultation:20200207130751j:plain



離婚時の借金についてのご相談①

今回は、離婚時に借金が発覚した方からのご相談です。

 

【ご相談】

この度夫と性格の不一致により離婚することになりました。

財産分与について夫に持ちかけたところ、「実は借金があって、全然貯金はない」と言われてぞっとしました。

詳しく聞いたところ、小遣いが足りないときにちょこちょこ消費者金融でキャッシングをしていて、100万くらい借金があるとのことです。

この借金は、妻である私に請求が来たり将来何か迷惑をかけられることはあるのでしょうか。

また、相手に借金があった場合どのように財産分与をすればよいのかも教えてください。

 

【アドバイス】

突然ご主人の借金が発覚し、さぞ驚かれていることと思います。

借金がある場合の財産分与や、借金が配偶者に影響を及ぼすかなどについて、私ができるアドバイスをさせて頂きます。

 

1.財産分与とは

財産分与というのは、結婚している間に夫婦で協力して作った財産を、離婚する際に分け合う制度です。

分ける割合は財産を築いた貢献度によって決めるのですが、通常夫婦で半分ずつに分けることが多いです。裁判所でも、2分の1ずつという決定がされることが多いです。

仮にどちらかが収入のない専業主婦/専業主夫であったとしても、家事などにより貢献していたと認められるため、貢献度は50%と考えられ、半分ずつ財産を分けるのが通常です。

 

2.借金も財産分与の対象となるのか

財産分与の対象となる財産には、以下のようなものがあります。

①預貯金

②不動産

③家財道具

④給与(年金分割)

⑤債務

 

⑤の債務は、つまり借金のことです。

では借金も分け合わなければいけないかというと、そんなわけではありません。

 

財産分与の対象となるのは、あくまで「結婚期間中に夫婦で築いた財産」です。

結婚前に作った預貯金が対象とならないのと同じように、結婚前からの借金は財産分与の対象とはなりません。

結婚期間中であっても、結婚生活とは関係のない、自分のために作った借金は財産分与の対象となりません。

 

具体的には、次のようになります。

【財産分与の対象となる】

①家族の生活費として使うための借金

②住宅ローン

③ファミリーカーのローン

 

【財産分与の対象とならない】

①個人の遊興費のための借金

②ギャンブル、FXなどのための借金

 

相談者さんのご主人の場合、自分の小遣いのための借金ということで、「個人の遊興費」であり、財産分与の対象としないことが普通です。

ただし、小遣いが極端に少なく、仕事上の付き合いのための借金などという事情があれば考え方も変わってきます。

 

3.借金がある場合の財産分与の考え方

借金がある場合の財産分与は、基本的には次のように考えます。

 

【財産分与の対象となる借金がある場合】

プラスの財産と、借金とを合計してプラスになるのであれば、プラスになった分を分け合うことになります。

借金も分け合うかというと、通常そのようなことはなく、借り入れをした本人が返済することとなります。

お金を貸した債権者にとっても、返済はあくまで借り入れした本人(債務者)にしてもらうことが前提となっており、勝手にそれを変えることは通常できません。

 

【財産分与の対象ではない借金の場合】

財産分与の対象でない借金であれば、存在を無視してプラスの財産だけを合計し、それを分与の割合(通常は半分ずつ)に応じて分け合うことになります。

 

4.配偶者の借金のせいで困ることはあるのか

配偶者の借金のせいで困ることがあるかは心配だと思います。

これは、自分がその配偶者の借金の、「保証人」、「連帯保証人」、「連帯債務者」になっているかどうかです。

 

「保証人」になっていれば配偶者が借金の返済をしなくなったときに、保証人に請求されてしまいます。

「連帯保証人」であれば、債権者は債務者本人(配偶者)と同じようにあなたにも返済を請求することができます。

「連帯債務者」であれば、そもそもご自身も「債務者=借金のある人」となっているので、借金の返済義務があります。

 

自分が保証人や連帯債務者になっていないかはしっかりと離婚前に確認しておきましょう。

自分が「保証人」や「連帯債務者」になっていなければ、配偶者の借金により自分に請求が来ることはありません。

 

まとめ

離婚する際に相手に借金がある場合、まずは借金の内容を確認しましょう。

そして、借金が財産分与の対象とすべきものかそうでないかを判断しましょう。

借金が財産分与の対象でなければ、プラスの財産だけを考えて財産の分け方を話し合いましょう。

借金が財産分与の対象となる場合は、プラス部分があればそれの分け方を話し合いましょう。

また、配偶者の借金について、自分が保証人、連帯保証人、連帯債務者になっていないかはきちんと確認しておきましょう。

借金のある配偶者と離婚する場合、離婚後の養育費が不払いになってしまうリスクなども考えられます。

離婚の際はきちんと公正証書で養育費を定めることなども検討したほうがよいでしょう。

 

f:id:couple_consultation:20200205170557j:plain