離婚後の不貞行為の慰謝料請求についてのご相談

今回は、離婚後に元夫の不倫が判明した女性からのご相談です。

 

ご相談

半年前に離婚をして二人の子供を育てているシングルマザーです。

夫婦で性格が合わずに喧嘩が多くなったことなどから、協議離婚をしました。

協議離婚をしたときに、離婚協議書を作り、養育費や財産分与などについて取り決め、慰謝料は双方なしということで合意しました。

ところが、最近になり、実は夫が離婚前に不倫をしていたことがわかりました。

慰謝料なしの合意をしてしまいましたが、その時は不倫のことを知らなかったので、今からでも慰謝料の請求はできるのでしょうか?

 

アドバイス

離婚後に相手が不倫していたことが判明するとショックですね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

離婚するときに「慰謝料なし」という合意をしている場合に、実は相手が離婚前に不倫をしていたと判明するケースは時々あるようです。

このような場合、後から慰謝料を請求することはできるでしょうか。

 

慰謝料なしの合意をしている場合でも請求できる可能性はある

離婚後であっても、時効になっていなければ慰謝料請求をすることはできます。

ただし、「慰謝料なしの合意」をしている場合には、請求することは基本的に認められません。

合意した内容にはお互いが拘束されることになるので、一方的に合意内容を取り消すことは基本的にできないからです。

 

ただし、今回のご相談のように、合意する前提としての事実(お互いに有責事由がない)が異なっている場合(実際には不貞行為があった)には、合意内容が無効となり、慰謝料請求が認められた判例があります。

 

判例の内容

夫が不貞行為を行っており、不貞相手を妊娠させていたにもかかわらず、その事実を知らなかった妻と慰謝料なしの離婚協議書を作成した。

離婚後にその事実を知った元妻が、錯誤があったため離婚協議は無効であると主張し、それが認められ妻からの慰謝料請求が認められた。

 

 

証拠の必要性

この判例からもわかるように、不貞行為の事実を知らずに慰謝料請求をしない旨の合意をした場合には、後から慰謝料請求が認められる可能性があります。

ただし、慰謝料を請求するためには、基本的に証拠が必要です。

 

この判例の場合には、不貞相手が妊娠していることから不貞行為の事実や時期の証明をすることができたのだと考えられますが、通常離婚前に不貞行為があったことを証明するのは難しいケースが多いと考えられます。

 

今回、相談者さんがどのような経緯で元夫が離婚前に不倫していたことを知ったのかはわかりませんが、それを証明できる証拠が必要です。

 

証拠は、単に不倫相手と親密な関係だったことだけでなく、実際に肉体関係があったことまで証明する必要があります。

  

離婚原因ではないため高額な慰謝料請求は難しい

今回、相談者さんご夫婦は「性格が合わずに喧嘩が多くなった」ことから離婚したということなので、性格の不一致による離婚だと考えられます。

そのため、元夫が離婚前に不倫をしていた場合でも、それが離婚原因となることはないでしょう。

 

不貞行為による慰謝料は、離婚原因となった場合とそうでない場合とでは、評価が異なります。離婚原因となった場合の方が慰謝料は高額となることが一般的です。

 

そのため、仮に慰謝料請求が認められた場合でも、想像よりも低額の慰謝料しか認められない可能性もあるので、注意が必要です。

 

まとめ

不倫の事実を知らずに慰謝料なしの合意をして離婚した場合、証拠があれば後から慰謝料請求が認められる可能性はあります。

ただし、慰謝料請求が認められない可能性や、低額しか認められない可能性も高く、過度な期待は禁物です。

まずは元夫に対し、不貞行為の事実を知ったことにより慰謝料請求を考えていることを伝え、話し合いをするとよいのではないでしょうか。

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