慰謝料請求を無視することは得策ではありません。
なぜなら、無視を続けることによって慰謝料請求された側が不利になるだけだからです。
慰謝料請求されたが無視を続けているとトラブルが深刻化し、穏便に解決できたはずの慰謝料請求が訴訟問題になるなど、解決がより困難になります。
慰謝料請求されたのを無視するとなぜダメなのか。
慰謝料請求されたトラブルがどのように深刻化するのか。
もう少し具体的に見てみましょう。
1.慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉で不利になる
慰謝料請求を無視すると示談交渉で不利になるリスクがあります。
慰謝料の交渉においては、加害者側の態度も交渉材料や慰謝料算定の材料になるのです。
示談交渉は慰謝料について決める話し合いですから、被害者側から「話し合いをしよう」と持ちかけているのに加害者が無視しては、話し合いの余地はありません。
交渉次第では話し合いだけで穏便にまとめられ、なおかつ慰謝料額についても加害者が真摯に応じることで考慮してもらえる可能性もあったのに、慰謝料請求されたのを無視することで、せっかくの話し合いでの解決や慰謝料額に配慮してもらえるチャンスをふいにしてしまったことになるのです。
仮に一度無視してから慰謝料請求の示談交渉をしたいと申し入れても、被害者側は減額などの交渉に取り合ってくれないかもしれません。
慰謝料請求されたのを無視していたのに減額などを申し入れてくるのは虫の良い話ではないかと、交渉自体に応じない可能性もあります。
被害者側の心証もよくない他、訴訟などになったときは無視したことを被害者側に主張され不利になるかもしれません。
このように、示談交渉や慰謝料額や話し合いによる解決、被害者側の心証という点で、慰謝料請求されたのを無視することはダメなことなのです。
2.慰謝料請求されたのを無視すると訴訟になる
慰謝料請求されたのを無視されると、訴訟リスクが高くなります。
なぜなら示談交渉で慰謝料請求問題を解決できないからです。
慰謝料の請求は基本的に示談交渉からスタートします。
被害者側が慰謝料を請求し、慰謝料額や条件を被害者と加害者が話し合う(示談交渉する)ことで決めます。
慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉が進みませんから、話し合いで解決することは難しいと判断される可能性があるのです。
話し合おうにも慰謝料請求を無視しているのですから、被害者側には手の打ちようがありません。
加害者を慰謝料請求の場へと引っ張り出すには、訴訟などの裁判所手続きを使うしかないと判断されるはずです。
訴訟になって慰謝料請求されたのを無視していたことを詫びたり、訴訟になってから真摯に対応したりしても、後の祭りです。
被害者にはすでに慰謝料請求を無視されたことに対する心証があります。
また、実際に無視したという事実があるため、訴訟で無視について追及されて不利になる可能性があるのです。
慰謝料請求を無視すると訴訟リスクが高くなり、さらに訴訟でも不利になるということです。
3.慰謝料請求されたのを無視すると不倫をバラされることも
慰謝料請求されたのを無視していると、不倫をバラされたり悪評を振りまかれたりするリスクがあります。
被害者側が冷静なら慰謝料請求されたのを無視されたからといって、不倫の事実をばらまいたりすることはありません。
しかし、不倫などの事実があり、さらに慰謝料請求されたのを無視されたとなれば、さすがに被害者側も冷静ではいられないかもしれません。
頭に血が上ってしまい、普段はしないような過激な行動や、加害者が予想していないような行動をするかもしれないのです。
会社や家に尋ねてきたり、家族や同僚、友人などに不倫などのこと、そして慰謝料請求を無視していることを言いふらされたりするかもしれません。
慰謝料請求を無視したからといって言いふらした会社などにやってくることが許されるわけではありませんが、冷静さを欠いてしまうと、このような行動をしないとも限りません。
また、仮に会社や家に来訪されたり、不倫などを言いふらされたりすると、慰謝料請求されたときに無視していることもあって、周囲からの信頼に傷がつくリスクもあるのです。
信頼を守り被害者に過激な行動を取らせないためにも、慰謝料請求されたのを無視することは得策ではありません。