慰謝料請求されたのを無視し続けるとどうなる?NG対応例も

慰謝料請求されたときに無視を続けていればいずれ相手は諦めるだろう。
無視していれば解決するだろうと思っていませんか。

 

慰謝料請求されたときに無視を続けることは得策ではありません。
慰謝料請求されたときに無視を続けることにより、請求された側である自分が不利になる可能性があるのです。

 

すでに慰謝料請求されたのを無視している人は、あらためて対応について考えてみてはいかがでしょう。

 

この記事では、慰謝料請求されたが無視を続けているとどうなるか説明します。
あわせて、慰謝料請求されたのをさらに無視しているとどうなるのか、NG対応など、今後の対処のヒントになる知識も解説します。

 

慰謝料請求されたのを無視し続けるとどうなる?

訴訟や支払督促、口頭や書面での請求、支払督促などそれぞれの方法によって慰謝料請求されたときに無視を続けるとどうなるのでしょうか。

無視し続けた場合にどうなるか方法ごとに説明します。

 

口頭や文書によって慰謝料請求されたのを無視し続けた

口頭や文書で慰謝料請求されたのを無視し続けると、調停や訴訟などの裁判所手続きを使われる可能性があります。

文書や口頭でいっても無視されるなら、無視されない方法で慰謝料請求問題を解決するしかありません。

文書や口頭での慰謝料請求と異なり「裁判所での手続きなら出てくるだろう」と被害者側が考える可能性があるのです。
文書で慰謝料請求されたときの文書が残っていれば、訴訟などで証拠として使われる可能性もあります。

 

たとえば内容証明郵便の場合は郵便局に内容と送付の事実が残りますから、口頭や文書によって慰謝料請求されたのを無視し続けると、訴訟などで証拠として使われる可能性があるのです。

仮に証拠として使われた場合「解決の機会があったのに無視した」と裁判官が感じるかもしれません。
心証によって加害者側に不利な判決が出る可能性があります。

 

支払督促によって慰謝料請求されたのを無視し続けた

支払督促は異議申し立てなく2週間が経過すると、強制執行の材料になります。
つまり、無視し続けると支払督促を使った強制執行がおこなわれる可能性があるのです。

慰謝料請求の支払督促を無視していると強制的に財産をおさえられ、慰謝料を回収されるリスクがあります。

 

調停により慰謝料請求されたのを無視し続けた

調停はあくまで当事者の話し合いですから、無視するとまとまる話し合いもまとまりません。
調停を無視し続けると「調停という話し合いの場で解決することは無理だろう」という判断から訴訟になる可能性があります。

 

仮に調停を無視し続けて訴訟になった場合、当然ですが調停を無視し続けていたことを被害者側から指摘されるはずです。
裁判官の心証にも関わり、不利な判決が出る可能性もあります。

 

訴訟により慰謝料請求されたのを無視し続けた

訴訟により慰謝料請求されたのを無視し続けると、加害者側に不利な判決が出る可能性が極めて高くなります。

訴訟の第一回期日は、書面さえ提出しておけば陳述擬制(本人が陳述したと見なされる)があるので、特に問題ありません。

 

しかし、第二回目以降には陳述擬制はありません。
また、第一回目の時点で書面すら提出していない場合には、陳述擬制はありません。加害者側に不利な結果になってしまうのです。

 

慰謝料請求されたときの対応NG例

慰謝料請求されたときに無視することにはリスクが伴います。
無視は、慰謝料請求においてしてはいけないことなのです。

無視以外にも慰謝料請求されたときにしてはいけないNG行動があります。
慰謝料請求されたときの無視以外のNG行動についても知っておきましょう。

 

慰謝料請求されたときにウソをつく

慰謝料の額は加害者側の態度によっても増額されます。
証拠があるのに不倫などを認めずウソをついてしまうと、慰謝料が上乗せされるリスクがあるのです。

 

確固たる証拠がないだろうと思ってウソをつくと、かえって被害者側が躍起になって証拠の準備をおこない、極めて不利な立場になる可能性もあります。
慰謝料請求されたときは無視以外にウソをつかないよう注意することも重要です。

 

慰謝料請求されたときに感情的に応じること

すでにお話ししましたが、加害者側の態度も慰謝料額に関係します。
被害者が慰謝料の示談交渉を申し入れてきたときや口頭で慰謝料請求してきたときなどに感情的に応じてしまうと、慰謝料額を増額されてしまう可能性があります。

 

加えて相手の心証を害し、慰謝料の減額などを申し入れても聞く耳を持ってもらえない可能性もあるのです。
また、感情的になってしまうと暴言や失言をしやすくなります。
暴言や失言により、慰謝料請求で不利な立場に立たされるリスクもあります。

 

慰謝料請求されたときに確認せず書面に記名押印する

被害者側が押しかけてきて示談書などに記名押印を求めることがあります。
慰謝料の話を早く終わらせたい。
押しかけられると迷惑。

このような気持ちで内容をよく確認せず記名押印すると、不利な立場に立たされてしまいます。

 

示談は基本的にやり直しできません。
記名押印してしまうと示談書を証拠に不利な立場に立たされてしまうことでしょう。

 


被害者側の押しかけがあれば、迷惑行為の問題になります。
示談書などを提示されたときは内容をよく確認し、わからないところや不安な点があれば弁護士に確認するようにしましょう。

 

f:id:samuraigyou:20210225141048j:plain

 

慰謝料請求を無視するのがだめな理由

慰謝料請求を無視することは得策ではありません。
なぜなら、無視を続けることによって慰謝料請求された側が不利になるだけだからです。

 

慰謝料請求されたが無視を続けているとトラブルが深刻化し、穏便に解決できたはずの慰謝料請求が訴訟問題になるなど、解決がより困難になります

 

慰謝料請求されたのを無視するとなぜダメなのか。
慰謝料請求されたトラブルがどのように深刻化するのか。
もう少し具体的に見てみましょう。

 

1.慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉で不利になる

慰謝料請求を無視すると示談交渉で不利になるリスクがあります。
慰謝料の交渉においては、加害者側の態度も交渉材料や慰謝料算定の材料になるのです。

 

示談交渉は慰謝料について決める話し合いですから、被害者側から「話し合いをしよう」と持ちかけているのに加害者が無視しては、話し合いの余地はありません。

交渉次第では話し合いだけで穏便にまとめられ、なおかつ慰謝料額についても加害者が真摯に応じることで考慮してもらえる可能性もあったのに、慰謝料請求されたのを無視することで、せっかくの話し合いでの解決や慰謝料額に配慮してもらえるチャンスをふいにしてしまったことになるのです。

 

仮に一度無視してから慰謝料請求の示談交渉をしたいと申し入れても、被害者側は減額などの交渉に取り合ってくれないかもしれません。

慰謝料請求されたのを無視していたのに減額などを申し入れてくるのは虫の良い話ではないかと、交渉自体に応じない可能性もあります。
被害者側の心証もよくない他、訴訟などになったときは無視したことを被害者側に主張され不利になるかもしれません。

このように、示談交渉や慰謝料額や話し合いによる解決、被害者側の心証という点で、慰謝料請求されたのを無視することはダメなことなのです。

 

2.慰謝料請求されたのを無視すると訴訟になる

慰謝料請求されたのを無視されると、訴訟リスクが高くなります。
なぜなら示談交渉で慰謝料請求問題を解決できないからです。

 

慰謝料の請求は基本的に示談交渉からスタートします。
被害者側が慰謝料を請求し、慰謝料額や条件を被害者と加害者が話し合う(示談交渉する)ことで決めます。

慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉が進みませんから、話し合いで解決することは難しいと判断される可能性があるのです。
話し合おうにも慰謝料請求を無視しているのですから、被害者側には手の打ちようがありません。
加害者を慰謝料請求の場へと引っ張り出すには、訴訟などの裁判所手続きを使うしかないと判断されるはずです。

 

訴訟になって慰謝料請求されたのを無視していたことを詫びたり、訴訟になってから真摯に対応したりしても、後の祭りです。

被害者にはすでに慰謝料請求を無視されたことに対する心証があります。
また、実際に無視したという事実があるため、訴訟で無視について追及されて不利になる可能性があるのです。

 

慰謝料請求を無視すると訴訟リスクが高くなり、さらに訴訟でも不利になるということです。

 

3.慰謝料請求されたのを無視すると不倫をバラされることも

慰謝料請求されたのを無視していると、不倫をバラされたり悪評を振りまかれたりするリスクがあります。

 

被害者側が冷静なら慰謝料請求されたのを無視されたからといって、不倫の事実をばらまいたりすることはありません。

しかし、不倫などの事実があり、さらに慰謝料請求されたのを無視されたとなれば、さすがに被害者側も冷静ではいられないかもしれません。
頭に血が上ってしまい、普段はしないような過激な行動や、加害者が予想していないような行動をするかもしれないのです。

 

会社や家に尋ねてきたり、家族や同僚、友人などに不倫などのこと、そして慰謝料請求を無視していることを言いふらされたりするかもしれません。
慰謝料請求を無視したからといって言いふらした会社などにやってくることが許されるわけではありませんが、冷静さを欠いてしまうと、このような行動をしないとも限りません。

 

また、仮に会社や家に来訪されたり、不倫などを言いふらされたりすると、慰謝料請求されたときに無視していることもあって、周囲からの信頼に傷がつくリスクもあるのです。

 

信頼を守り被害者に過激な行動を取らせないためにも、慰謝料請求されたのを無視することは得策ではありません。

 

f:id:samuraigyou:20210225140918j:plain

 

年金分割をしたくない場合

今回は、年金分割をしたくないという方からのご相談です。

 

ご相談

妻と離婚することになりました。

大体の離婚条件も話し合いが済んでおり、親権は妻で、養育費や財産分与についてもおおむね決まっています。

一つ心配なのが、年金分割のことです。

私は結婚期間中の15年間ずっと厚生年金に加入しており、妻は専業主婦でした。

このような場合、年金分割を妻が求めた場合には必ず応じなければならないのでしょうか。

今のところ妻からは何も言われていませんが、分割しないで済む方法があれば、正直分割したくありません。

養育費や財産分与は相場以上に払う予定なので、年金まで取られるのは避けたいのが本音です。

 

アドバイス

年金分割の制度が始まり、気にされる方も多くなりましたね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

年金分割制度とは

年金分割は、結婚期間中に厚生年金保険料を納付していた場合に、その納付実績を夫婦で分け合う制度です。

分割を受けた側は将来受け取る年金額が増えることになり、分割された側は将来受け取る年金額が減ることになります。

相談者様のケースでは、相談者様が厚生年金保険料を納付しており、奥様は専業主婦で扶養に入っていたということなので、相談者様の納付実績を夫婦で分け合うことになります。

 

年金分割には3号分割と合意分割がある

この年金分割には、3号分割と合意分割があります。

3号分割と合意分割の違いは、分割される年金保険料の納付期間の範囲です。

3号分割の場合、平成20年4月以降の厚生年金の納付実績が対象となり、合意分割の場合には結婚期間全体の厚生年金の納付実績が対象となります。

 

3号分割については、請求者が一人で年金分割の手続きをすることができます。

 

一方、合意分割の場合には、夫婦で合意(調停などによる決定を含む)をする必要があります。

 

そのため、もしも相談者様の奥様が3号分割をしようとすれば、相談者様の合意がなくても一人で手続きができるということです。

これを阻止する方法は、残念ながらありません。

 

一方、合意分割については、基本的に夫婦での合意ができなければ奥様は手続きをすることができません。

年金分割について話し合い、奥様が年金分割の権利を放棄してくれるのであれば、分割せずに済みます。

 

放棄してもらうかあえて年金分割に触れないか

年金分割をしたくない場合、現実的な選択肢としては2つあると思います。

一つ目は、年金分割について奥様と話し合い、年金分割はしないという同意を得ることです。

年金分割をしないという合意ができた場合、それをきちんと書面に残すことが大切です。

離婚協議書を作成する際、「年金分割を行わないことに合意した」という内容をしっかりと記載しておきましょう。

 

ただし、この合意をした場合でも、3号分割については奥様一人で手続きができてしまうため、それを阻止することは現実的には難しいと言わざるを得ません。

 

奥様に年金分割をしないことに納得してもらうためには、財産分与などで奥様の意向をできるだけ尊重するなど、年金分割以外の面でメリットがあるようにして説得すればスムーズに話し合いが進む可能性があります。

 

二つ目の方法は、年金分割について自分からは何も話さないことです。

年金分割の請求ができるのは、離婚から2年以内です。この期限を過ぎると、手続きができなくなります。

奥様の性格にもよりますが、2年間請求しそうもないのであれば、あえて自分から年金分割の件には触れずに離婚してしまうと言うのも選択肢の一つです。

ただし、上述のとおり3号分割については離婚後も奥様一人で手続きができますので、2年以内に年金分割のことを思い立ち、一人で手続きをしてしまう可能性は十分にあります。

年金分割については認知度も上がってきているため、奥様が知らない可能性は低いと考えられます。

f:id:couple_consultation:20201114111018j:plain

 

私立学校の学費と養育費について

今回は、子どもが私立中学校に通っている場合の養育費についてのご相談です。

 

ご相談

現在、夫と離婚についての話し合いをしています。

私たちには中学生の子どもがおり、離婚後は私が親権者となる予定です。

この場合の養育費について教えてください。

夫は、家庭裁判所の養育費算定表をそのまま使って養育費を決めればよく、学費も養育費に含まれると言っていますが、それでは私立中学校の学費の負担が大きく不公平だと感じます。

私立中学校に通っている場合、学費については養育費と別に支払ってもらうことはできるのでしょうか。

 

アドバイス

お子様が私立学校に通っている場合、学費のことは気になりますよね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

養育費算定表では私立の学費は考慮されていない

養育費を決める際、家庭裁判所が採用している「養育費算定表」を使って養育費の基準額を確認するケースは多いでしょう。

この算定表では、夫婦の収入、子どもの年齢、人数を基に簡単に養育費の基準額を知ることができ、便利です。

養育費算定表の金額には、子どもの衣食住にかかる費用や教育費も含まれています。

ただし、この簡易的な算定表では、個別の事情までは考慮していません。

私立学校の学費は算定表では考慮されておらず、一般的な公立学校に通っている前提での算定方法です。

そのため、私立学校に通っている場合には、それを考慮したうえで養育費を決めるべきものと考えられます。

 

学費について養育費の増額請求が認められる場合

養育費について合意できない場合、調停を申し立てることになるかと思います。

調停でも当事者同士が合意できない場合には、審判の手続きに移行し、裁判所が一切の事情を考慮したうえで養育費を決定することになります。

 

私立学校に通っていることを理由に算定表よりも高額な養育費を請求した場合、それが認められるケースと認められないケースがあります。

 

認められやすいケースとしては、以下のようなものがあります。

 

①親が高学歴

両親が高学歴という場合、その親の子どもも同じように高度な教育を受けることは自然なことであり、そのための費用を親が負担すべきであると判断される可能性があります。

 

②私立学校に通うことに同意していた

離婚する前から夫婦が子どもが私立学校に通うことに同意しており、すでに子どもが私立学校に通っている場合には、私立学校の学費についての養育費増額が認められやすくなります。

 

③請求される側の収入が多い

請求される側の収入が多い場合には、養育費算定表の金額以上の負担をすることは困難ではないと考えられるため、増額が認められる可能性が高くなります。

 

認められにくいケースとしては、以下のようなものがあります。

 

①請求される側の収入が低い

請求される側の収入が低く、養育費算定表以上の金額を支払うことが現実的に困難な場合には、増額は認められにくい傾向があります。

 

②私立学校に通うことに同意していない

私立学校に通うことに対し、元々配偶者が同意していなかったようなケースでは、増額が認められにくい場合があります。

 

まとめ

子どもが私立学校に通っている場合には、養育費算定表の金額をそのまま採用するのではなく、学費も考慮して金額を算定するのが一般的です。

たとえば、年間の学費が100万円という場合、夫婦の収入に応じて夫が6割負担することとする場合には、年間60万円、月5万円を増額するなどの方法が考えられます。

 

養育費はあくまでも子供のためのものなので、そのことをご主人に伝えて話し合いをするとよいのではないでしょうか。

当事者同士の話し合いで折り合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てる方法も考えてみてください。

また、養育費について取り決めたときは、不払いになるのを避けるために公正証書を作成することをお勧めします。

f:id:couple_consultation:20201114114710j:plain

 

内縁関係での財産分与や慰謝料請求

今回は、入籍していない事実婚の状態でも財産分与や慰謝料を請求できるか知りたいという方からのご相談です。

 

ご相談

これまで約20年間事実婚状態で生活してきた夫から一方的に別れを切り出されました。

恐らく他に好きな女性がいるのだと思います。

入籍はしていませんが、周囲からも夫婦として扱われてきましたし、夫のことを妻として支えてきました。

私は専業主婦で夫に養ってもらってきたため、自分名義の貯金などほとんどありません。

離婚後の生活が不安です。

このような場合、入籍していなくても普通の夫婦の場合と同様に、財産分与や慰謝料を請求することはできますか?なお、子どもはいません。

 

アドバイス

突然内縁のご主人から別れを切り出されて、さぞ困惑されていることと思います。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

内縁の夫婦でも入籍している夫婦に準じた扱いをされる

相談者様は、入籍はしていないものの事実婚状態とのことです。

このような場合、内縁関係であることが認められれば、夫婦に準じた扱いがされることになり、財産分与や慰謝料を請求できる可能性があります。

 

内縁関係であることが認められるためには、基本的に以下の条件をすべて満たしている必要があります。

①同居して生計を同一にして生活してきたこと

②婚姻届の提出をしていないがお互いに夫婦という認識を持っていること

③対外的にも夫婦であることを表明していること

 

相談者様の場合、①については満たしているでしょう。

②については、ご主人も夫婦と言う認識を持っていれば問題ないでしょう。

③については、親族や職場関係者とも夫婦同然に付き合ってきていたことや、夫の社会保険の扶養に入っていること、結婚式を挙げたこと、住民票に「未届けの妻」「妻(見届)」などと記載されている事実があれば、内縁関係であることが認められる可能性が高くなります。

相談者様達には子供はいないということですが、子供がいる場合には子供をご主人が認知しており、子どもを扶養している場合には内縁関係であることが認められやすくなります。

 

財産分与や慰謝料については基本的に当事者同士の話し合い

 

財産分与や慰謝料については、基本的には当事者同士の話し合いによって決めることになります。

財産分与は、内縁関係が続いた期間中に二人で築いた財産を分け合うこととなり、基本的には半分ずつ分けることになります。

相談者様の場合、約20年内縁関係が続いているとのことなので、この間に築いた財産を二人で分け合うことになるでしょう。

 

慰謝料については、入籍している夫婦と同様に、必ず請求できるものではありません。

どちらか一方が離婚原因を作った場合で、それが不貞行為(不倫)、悪意の遺棄(夫婦の義務である同居、協力、扶助の義務を怠ること)、DVなどといった不法行為となるときに請求することができます。

今回、ご主人が一方的に別れを口にしているようですが、もしご主人が勝手に家を出て行ってしまったら悪意の遺棄に該当する可能性がありますし、他に女性がいて不倫しているのであれば不貞行為に該当して慰謝料請求できる可能性があります。

また、このような事情がない場合でも、別れを受け入れてもらうために「慰謝料」もしくは「解決金」といった名目で金銭を支払い、関係を解消する場合もあります。

 

また、当事者同士の話し合いが上手くいかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。「内縁関係調整調停」で、内縁関係の解消についてや、解消に際しての財産分与や慰謝料をどうするかといった問題についても調停委員を介した話し合いをすることができます。

 

もしご主人が一方的に関係の解消を迫って話し合いにも応じないような場合には、調停も検討してみてはいかがでしょうか。

f:id:couple_consultation:20201114111104j:plain

 

顔を合わせずに離婚する方法について

今回は、ご主人と顔を合わせずに離婚をしたいという方からのご相談です。

 

ご相談

現在夫と別居中で、このまま離婚したいと思っています。

夫には以前離婚したいことをやんわりと伝えましたが、はっきりとした返事はありませんでした。

夫は興奮すると大きな声を出したり、たまに手を挙げることもあるので直接離婚の話し合いをすることは避けたいと思っています。

顔を合わせずに離婚をすることは可能でしょうか。

 

アドバイス

配偶者と顔を合わせずに離婚の手続きを済ませたいと考えられる方は多いですね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

離婚の方法には、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の方法があり、それぞれ手続きの方法が異なります。

まずは協議離婚することを目指すこととなり、相手が話し合いに応じないなどで協議離婚が不可能であれば調停離婚、調停離婚でも離婚の合意が得られなかったり離婚条件に合意できなければ、最終的には裁判離婚を検討することとなります。

それぞれの手続きで、配偶者と顔を合わせずに済むかを説明します。

 

協議離婚

協議離婚の場合、当事者同士に離婚の合意が成立すれば、顔を合わせることなく手続きが可能です。離婚届に相手の署名をしてもらう必要がありますが、これは郵送のやり取りでも可能です。

離婚条件(財産分与や慰謝料、子どもがいる場合には親権や養育費など)についても話し合う必要がありますが、必ずしも直接会って話す必要はなく、電話やメール、手紙などでやり取りすることも可能です。

ご主人がこれらの方法での話し合いに応じてくれるのであれば、特に顔を合わせる必要はないでしょう。

 

調停離婚

調停離婚は、家庭裁判所に申し立てを行い、調停委員を介して当事者同士の意見の調整を図っていく方法です。

調停では当事者双方が家庭裁判所に出頭する必要がありますが、相手と別席を希望することを伝えておけば、基本的に別々で調停の部屋に呼ばれることとなり、相手と顔を合わせる必要はないのが通常です。

ただし、話し合いの結果合意に至った場合には、最後の調停期日では双方の意思確認を行うために、同席になるのが原則です。

例外として、DV被害を受けていたなど同席することが精神的に耐えがたいようなケースでは、最終期日でも別席で対応してもらえる場合もあります。

相手に対して強い恐怖心などがある場合、あらかじめ裁判所にその旨を伝えておけば、できるだけ裁判所内でもばったり会ってしまうことがないような対応をしてくれることも多いです。

 

裁判離婚

裁判離婚の場合、基本的には代理人の弁護士を双方が立てることになるでしょう。

裁判をするためには、専門的な知識や経験がなければ対応が難しいからです。

そのため、裁判手続きは弁護士同士が出席することとなり、当事者が出席する必要は基本的にはありません。

ただし、当事者尋問といって、当事者本人が裁判官の前で証言をする手続きのときには、本人が出席する必要があります。この当事者尋問は、夫と妻それぞれに対して同じ日に行われることが基本なので、その際に、配偶者と顔を合わせなければならない可能性が高いでしょう。

例外として、DV被害を受けているようなケースでは、配偶者と顔を合わせずに済むように遮へいなどの対応をしてもらえる場合があります。

 

まとめ

離婚の話し合いは、必ずしも顔を合わせる必要はなく、相手が応じてくれるのであれば電話やメール、手紙などで話をしてみてはいかがでしょうか。

別居中ということなので、相手がどのように考えているのかをまずは確認する必要があるでしょう。

ただし、相談者様の場合、ご主人に対して恐怖心をお持ちのようなので、自分が不利な形で離婚することになったり、相手が離婚の話し合いに応じてくれない場合を考えると、一度弁護士に相談することも検討する必要があるかもしれません。

 

f:id:couple_consultation:20201114111145j:plain

 

義理両親との不仲による離婚請求

今回は、義理両親との関係を理由として離婚したい方からのご相談です。

 

ご相談

夫の両親との関係が上手くいかず、離婚をしたいと考えています。

夫の両親はとても過干渉で、私たち夫婦の問題にことごとく口を挟んできます。

子育てについても私のやり方がおかしいと否定して自分のやり方を押し付けて来たり、事前の連絡もなく突然家を訪問されたりしてもう限界です。

夫には何度も義理両親に過干渉を止めるよう注意してほしいと頼んでいますが、口では分かったと言うものの、ほとんど見て見ぬふりで一向に改善しません。

このような場合、私から一方的に離婚を求められますか?

 

アドバイス

義理両親が過度に干渉してくるのはストレスになりますね。

私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

義理両親との関係だけで一方的な離婚は難しい

現在の状況で離婚ができるかということですが、ご主人が離婚に同意するのであれば、どのような状況であっても離婚は可能です。

ただし、ご主人が離婚に同意しない場合、義理両親との関係だけを理由とした離婚請求が認められる可能性は低いでしょう。

 

一方的な離婚請求が認められるためには、法定離婚事由という、法律上離婚が認められる原因があることが必要です。

その中で、認められる可能性のある事由としては、「婚姻を継続しがたい重大な事由」になりますが、義理両親の過干渉という事情だけでは通常離婚は認められません。

義理両親との関係性と夫婦の関係性はまったく別のものと判断されるからです。

 

「婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められるためには、義理両親との不仲というだけでなく、義理両親との不仲がきっかけとなり、夫婦関係そのものが破たんしている状況であることを証明することが求められます。

 

たとえば、義理両親との関係を取り持つように求めても夫がそれに全く応じず、それどころか義理両親の肩を持って妻を責め立てる状況が続いており、妻が心身に支障をきたしたような場合や、長期の別居に至った場合であれば「婚姻を継続しがたい重大な事由」と判断される可能性があります。

 

相談者様のケースのように、夫に両親に注意するように求めても分かったと言うだけで実際には何の対処もしないという場合、今の段階では離婚が認められる可能性は低いかもしれません。

 

まずは離婚の話し合いを

このような場合に離婚を望むときは、まずは夫にはっきりと今の状況が改善しなければ離婚したいという意思を伝え、話し合いをすることになるでしょう。

離婚を考えるほど妻が悩んでいることに気が付いていない夫もいるので、はっきりと離婚意思を伝えることで、ようやく義理両親への対応を真剣に考え、状況が改善する場合もあるでしょう。

 

当事者同士では冷静に話し合いをすることが難しい場合、家庭裁判所に調停を申し立てる方法もあります。

調停では、調停委員が当事者双方の話を聞いたうえで、離婚についての助言をして意見の調整を図っていきます。

調停委員には離婚するかどうかを決める権限はありませんが、調停委員に共感してもらい離婚したほうがよいという助言を引き出すためには、離婚したい理由を具体的、客観的に主張することが大切です。

感情的に義理両親からされた嫌な思いを訴えても、あまりよい印象は与えないので気をつけましょう。

調停では、最終的には当事者双方の合意ができなければ離婚は成立しません。

その場合、裁判を検討することになります。

裁判では、夫婦関係が破たんしていることを主張、立証する必要があります。

 

裁判での離婚が難しいのは上述の通りなので、相手との話し合いにより、相手の希望する離婚条件をある程度受け入れるなどして、相手が納得するように話し合いを進めることで離婚に同意してもらう方法もあります。

f:id:couple_consultation:20201114110926j:plain



 

借金による養育費と財産分与への影響について

今回は、夫から「借金があるので養育費も財産分与も支払えない」と言われた方からのご相談です。

 

ご相談

夫と離婚することが決まりました。お互いに言い分はあり、一方だけが悪いわけではないので慰謝料は請求し合わないということで納得しています。

私たちには小学生の子どもがおり、離婚後は私が親権者となり子どもを育てていきます。

夫に養育費や財産分与の請求をしたところ、借金の返済があるので一切支払うことはできないと言われました。私自身にも収入はありますが、借金を理由に養育費や財産分与を払わないことなど認められるのでしょうか?

 

アドバイス

ご主人から借金を理由に養育費や財産分与の請求を拒否されてしまったとのことですね。私にできるアドバイスをさせて頂きます。

養育費と財産分与については、別々に考える必要があります。

 

財産分与について

財産分与は、結婚期間中に夫婦で形成した財産(共有財産)を、離婚時に分け合う制度のことで、基本的には2分の1ずつの割合で分けることになります。

財産分与は、結婚期間中に得た財産であれば、夫名義のもの、妻名義のものを問わず対象となるのが基本です。

ただし、相続によって得た財産については財産分与の対象とはなりません。

 

財産分与をする際に、借金がある場合はどのように扱うかというと、まずはその借金が財産分与で考慮すべき借金かそうでないかを判断します。

財産分与で考慮すべき借金とは、家族で住む家の住宅ローンや、子供のための学資ローン、家族の生活費のための借金などのことです。

自分の遊興費のための借金やギャンブルでの借金、浪費のための借金などは財産分与で考慮すべきものとは判断されません。

 

財産分与で考慮すべき借金である場合、その借金と、プラスの夫婦の財産を比較したとき、借金の額の方が多ければ、基本的に財産分与を請求することはできません。

 

たとえば、夫婦の共有財産が500万円、住宅ローンの残債の額が1000万円の場合には、借金の方が多いため、財産分与を請求することはできないのが通常です。

 

ただし、借金についても夫婦で分割しなければならないかというとそんなことはなく、借金の支払い義務があるのはあくまでも借金の名義人(債務者)ということになります。

 

今回の相談者様のご主人の借金がどのような内容であるかはわかりませんが、借金が財産分与で考慮すべき性質のものである場合には、借金の方が共有財産よりも多ければ財産分与の請求ができない可能性が高いと考えられます。

 

養育費について

 養育費については、夫と妻の収入及び子どもの年齢、人数をもとにして、家庭裁判所で採用する「養育費算定」で基準となる金額を確認し、この金額に個別の事情を考慮して決定するのが一般的な方法です。

 

たとえ借金がある場合でも、支払う側に収入がある限り、養育費がゼロということは基本的に考えられません。

養育費の支払い義務は、親の子に対する扶養義務に基づくものですが、扶養義務の中でも「生活保持義務」に基づくものとされています。

生活保持義務とは、自分と同程度の生活を子どもに保たせる義務のことであり、自分の生活が苦しい場合でも、それを分け与える義務があるという重い義務になります。

 

このようなことから、相談者様のご主人の借金がどのような内容であるかを問わず、ご主人に収入がある限りは、養育費の支払い義務を逃れることは基本的にできません。

 

相手と養育費についての話し合いが上手くいかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることも検討してみてはいかがでしょうか。

調停委員からも養育費がゼロにならないという助言はされることになり、ご主人も第三者の意見を聞けば納得する可能性があります。

f:id:couple_consultation:20201114110742j:plain

 

養育費の連帯保証人についてのご相談

今回は、養育費の連帯保証人についてのご相談です。

 

ご相談

もうすぐ夫と離婚する予定です。

子供が二人いて、私が親権者になります。

養育費について、相場通りの金額を子供たちが20歳になるまで払ってもらうという約束を夫としました。

ただ、夫はいい加減な性格で金銭的にルーズなところがあります。

養育費をきちんと払い続けてくれるのかとても心配です。

夫の両親は常識があり経済的にも余裕があるので、夫の両親に養育費の連帯保証人になってもらいたいと思っています。養育費の支払いについて連帯保証人をつけることに問題はありますか?

 

アドバイス

養育費をきちんと払い続けてもらえるかは心配ですよね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

養育費に連帯保証人をつけることは可能

養育費に保証人をつけることについて、特に禁止されているわけではありません。

保証人になることを連帯保証人本人と養育費の支払い義務者が同意していれば、連帯保証人をつけることは可能です。

連帯保証人をつけるには、連帯保証人の同意書をとりつける必要があります。

 

ただし、養育費というのは、扶養義務のある親だからこそ支払う義務があるものです。支払い義務者本人が死亡した場合、養育費の支払い債務は消滅することになり、連帯保証人に支払いを請求することはできません。

 

公正証書を作ることは難しい

養育費に連帯保証人をつける場合、後で強制執行をすることなどを考えると公正証書を作成したいと考えるのではないでしょうか。

ただし、公証役場では、養育費に連帯保証人をつけることを認めてもらえない可能性が高いでしょう。

 

養育費について連帯保証人をつけることは、法的な争いになった時の判断が難しいからです。このような争いの元になる可能性が高い内容を公正証書に盛り込むことはなかなか認めてもらえないのです。

 

連帯保証人以外の対策も考える

養育費に連帯保証人をつけることはできないわけではないものの、一般的な方法ではなく、公正証書にすることも難しいことから、養育費の不払いを防ぐベストな対策とは限りません。

他の方法についても検討することをおすすめします。

 

公正証書の作成

養育費の不払いを防ぐ有効な対策としては、公正証書を作成し、不払いが起きたら強制執行ができる旨の文言をつけることです。

自分たちで作成した離婚協議書に養育費について記載した場合には、相手が養育費を払わなくなった時裁判手続きをしなければ相手の財産を差し押さえることはできません。公正証書の場合には、裁判手続きを経ることなく財産の差し押さえができます。

 

自分たちで作成した離婚協議書に連帯保証人をつけるよりも、連帯保証人なしでも公正証書を作成する方がいざというとき役に立つのではないでしょうか。

 

一括払い

相手にまとまったお金がある場合には、養育費を一括払いしてもらう方法もあります。

養育費は毎月一回支払う方法が一般的ですが、支払い方法に決まりがあるわけではなく、一括払いとすることも可能です。

一括払いであれば、途中で不払いになるリスクがないため、受け取る側にとっては安心できる方法です。

ただし、相手にとってもメリットがなければ簡単に応じてくれる可能性は低いでしょう。

一括払いとする場合には、分割払いの総額よりも養育費を減額することが一般的です。

たとえば、毎月5万円の養育費をこれから10年間支払うという場合、養育費の総額は600万円となりますが、一括払いとするのであれば500万円とするといった方法です。

相談者さんのように夫の両親が裕福という場合には、夫が親からお金を借りて養育費を一括払いするという方法もあります。

 

まとめ

養育費の支払いに連帯保証人をつけることは不可能ではありませんが、公正証書にすることが難しいため必ずしも有効な方法とは言い切れません。

公正証書を作成することや一括払いの方法など、他の対策についても検討したうえで、ベストな方法を選択してくださいね。

f:id:couple_consultation:20200815203909j:plain

 

浪費と財産分与の割合についてのご相談

今回は、相手が浪費していた場合の財産分与の割合についてのご相談です。

 

ご相談

夫と離婚の話を進めています。

お互いに色々言い分はありますが、不倫などが原因ではないため慰謝料はなしというところまでは話し合いました。

現在、財産分与について揉めています。

我が家は共働きで生活費を出し合っていたのですが、夫は浪費家なので貯金がほとんどありません。

私は生活費を出した残りをほとんど貯金していたので、ある程度まとまった貯金があります。

夫は私のこの貯金は財産分与で半分ずつ分けるのが当然だというのですが、私は納得ができません。

このような場合でも、財産分与は2分の1ずつとしなければいけないのでしょうか。

 

アドバイス

浪費家の配偶者がいる場合に、財産分与で2分の1ずつ財産を分けることには納得できませんよね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 財産分与の原則は2分の1ずつ分ける

財産分与の割合については、夫婦での話し合いによって自由に決めることができますが、特別な事情がない限りは2分の1ずつ分けるのが原則です。

 

配偶者が浪費家で、財産の形成に貢献していない場合には、相手にその理由を伝えて自分の取得する財産の割合を高くするように交渉することになります。

 

相手がそれに応じない場合には、家庭裁判所に財産分与調停を申し立てることになるでしょう。

調停では、調停委員を介して財産分与について当事者の意見を調整していき、合意することを目指します。

 

自分が望む財産分与割合やその根拠について、調停委員の理解を得られるように主張するとよいでしょう。

ただし、最終的に当事者同士が合意しなければ、調停は不成立となって終了してしまいます。

調停が不成立となった場合、自動的に審判の手続きが開始します。

審判は、裁判官が必要な審理を行ったうえで、一切の事情を考慮の上財産分与について決定します。

 裁判所が財産分与割合を2分の1ずつにしない場合

裁判所はどのようなケースで、財産分与割合を2分の1ずつではない割合にするのでしょうか。

財産の形成における夫婦の貢献度に大きな偏りがあると認められる場合には、2分の1ずつではない割合が認められる可能性があります。

たとえば、スポーツ選手など、夫婦の片方の特殊な才能により多額の資産を形成した場合には、半分ずつ分けるのは不公平だと判断されることがあります。

 

浪費については、何をもって浪費とするかの基準が不明確で、証明することが難しいのが実情です。

家計に影響を与えない範囲で趣味にお金を使ったり欲しいものを買うことは、浪費と認められるとは限りません。

相談者さんのように、ご主人が必要な生活費は負担したうえで、残りのお金を自由に使ってしまい貯金がないようなケースであっても、裁判所がどのように判断するかは残念ながらわかりません。

 

今できる対策

財産分与の対策として、今できることについて紹介します。

①離婚まで長引きそうなら別居を検討

財産分与は、別居するまでに築いた財産を対象とすることが原則です。

別居後に形成した財産は、夫婦で協力して築いた財産と考えれらないからです。

相談者さんがご主人と一緒に暮らしている限り、今から相談者さんが貯めたお金についても財産分与の対象となってしまいます。

これ以上自分の財産を相手に渡さないようにするためには、離婚成立まで長引きそうであれば別居を検討するのも選択肢の一つです。

 

②相手が財産隠しをしていないか確認する

離婚を意識すると、財産分与の対策として自分の財産隠しを画策する人もいます。

相手が貯金はないと言っていても、実際には秘密の口座を作っていて財産を隠し持っているような可能性もあります。

相手が不自然に給与口座からお金を引き出していないかなど、確認した方がよいでしょう。

 

③相手が浪費についての証拠をそろえる

相手との話し合いや調停の際、相手が浪費した内容や時期について、できるだけ具体的に主張することが有効です。

相手が浪費した内容がわかる証拠をできるだけ揃えましょう。

f:id:couple_consultation:20200814214659j:plain

 

子供の連れ出しに関するご相談

今回は、子供を連れて妻が一方的に家を出て行ってしまった方からのご相談です。

 

ご相談

夫婦関係が悪化して喧嘩が絶えなくなり、離婚の話も出ている状況の中、妻が子供を連れて出ていき、一方的に別居を始めました。

妻にはメール等で連絡して子供を連れて戻ってくるように呼びかけましたが、返事はありません。

 子供は小学生二人で、妻の実家で生活しているようです。

このように一方的に子供を連れて出ていくことに問題はないのでしょうか。

子供を連れ戻す方法や、今から私にできる対応策があれば教えてください。

 

アドバイス

突然奥様が子供を連れて出て行ってしまい、さぞ困惑されていることと思います。

私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

一方的に子供を連れて出ていくと違法と解釈されることもある

たとえ自分の子供であっても、勝手に連れて出ていってしまうと「違法な連れ去り」と判断される可能性があります。悪質なケースでは、「未成年者略取罪」という犯罪になる可能性もあります。

 

違法な連れ去りと判断される可能性が高い事例

・学校や幼稚園から子供を無断で連れ出した。

・子供を待ち伏せして無断で連れ出した。

 

違法ではないと判断される可能性が高い事例

・子供を虐待から守るために無断で連れ出した。

・自分がDV被害に遭っており、無断で子供と一緒に家を出た。

 

子供を連れ戻す方法

子供を連れ戻すためにはどのような方法があるでしょうか。

相手が勝手に子供を連れだしたのだから、自分も子供を無断で連れ戻したいと考えるかもしれませんが、それは基本的には認められません。

 

監護者指定及び子の引渡審判の申し立てを行う

 

子供を連れ戻すための方法として、家庭裁判所に監護者指定と子の引渡審判の申し立てを行う方法があります。

監護者というのは、子供と一緒に暮らして世話をする人のことです。

ただし、この申し立てをしても必ず監護者として自分が指定され、子の引渡が認められるわけではありません。

また、裁判所の手続きなので結論が出るまでには時間がかかります。

 

子供の監護権者の指定や引渡の審判においてポイントとなることを紹介します。自分に勝算があるかを考えたうえで、申し立てを検討してはいかがでしょうか。

 

①連れ出した時の状況

別居の開始と同時に子供を連れて出て言った場合、後から子供を連れだした場合よりも子供の引渡しが認められる可能性が低くなります。

これは、後から強引に連れ出した状況とは異なり、穏やかな形で子供を連れて行ったと考えられるからです。

 

②主に養育していたのがどちらか

子供を連れだした親が、別居前から主に子供の世話をしていた場合には、子供の引渡しが認められる可能性が低くなります。

主な養育者だった親が別居するときに子供を置いていくと、子供の世話が適切に行われない可能性があり、かえって子供に不利益があると考えられるからです。

多くの家庭では母親が主な養育者となっているため、母親による連れ出しが行われた場合に、父親への引渡しが認められる可能性が低いという現実があります。

 

③現在の子供の養育環境

連れ出された子供の現在の養育環境に問題がなければ、子供の引渡しが認められる可能性が低くなります。

衣食住に問題のない環境で、これまで通りきちんと学校に通い平穏な生活を送っている場合には、子供の環境を変える必要はないと判断されるため、子供を引き渡す必要性が認められないからです。

 

④引き渡し後の養育環境

子の引渡しを実現した場合に、子供を適切に養育できる環境が整っていなければ、子供の引渡しが認められる可能性が低くなります。

現実的に子供を自分が養育できる環境ではない場合には、申し立てをしても無駄になってしまう可能性が高いでしょう。

 

まとめ

相談者さんの状況で、元々奥様が主に子供の世話をしていた場合には、連れ戻しをするのは難しいと言わざるを得ません。

ですが、その場合でも、子供との面会を求めることは続けた方がよいでしょう。

可能性が低いからと子供との接触を諦めてしまうと、親権争いの際にも不利になってしまいます。難しい状況ではありますが、できるだけ子供とコミュニケーションを取れるように働きかけてみてはいかがでしょうか。

f:id:couple_consultation:20200808170543j:plain

 

水商売の女性への慰謝料請求のご相談

今回は、水商売の女性への慰謝料請求についてのご相談です。

 

ご相談

夫が不倫をしており、離婚を考えています。

現在夫にばれないように不倫の証拠を集めているところですが、夫の不倫相手はキャバクラで働いている女性のようです。

夫に慰謝料請求をすることはもちろんですが、相手の女性に対しても慰謝料請求をしたいと考えています。

相手がキャバクラ嬢の場合、色恋営業のようなものがあると思いますが、その場合でも慰謝料請求は可能でしょうか?

 

アドバイス

ご主人の不倫のことを知り、つらいお気持ちでいらっしゃることと思います。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

水商売の女性が相手でも慰謝料請求は可能

キャバクラやクラブに勤める水商売の女性が相手であっても、不貞行為の事実があれば慰謝料請求をすることはできます。

 

実際に、平成28年の判決で銀座のクラブホステスへの慰謝料請求が認められているため概要を紹介します。

 

判例の概要

銀座のクラブホステスが客である夫とホテルに宿泊したことに対し、妻が不貞行為の慰謝料請求をしました。

ホステス側は、営業活動の一環としてホテルに宿泊しただけで不貞行為はないと主張しました。

裁判所は、同伴出勤等は営業活動の一環として認められるが、ホテルに宿泊することは営業活動とは通常考えられず、ホテルに二人で宿泊したことは肉体関係があったことを推認させるとして、妻の慰謝料請求を認めました。

 

この判例からもわかるように、不貞行為の事実が認められる場合には不貞相手が水商売の女性であっても慰謝料請求が認められる可能性が高いでしょう。

 

ただし、古い判例では水商売女性によるいわゆる「枕営業」の場合に、不貞行為とは認定せずに慰謝料請求が認められなかった事例もあるため、画一的な取り扱いがされているわけではありません。

 

離婚慰謝料は不貞相手には請求できない

不貞行為による慰謝料については、不貞行為そのものに対する慰謝料請求と、不貞行為が原因で離婚となった場合の離婚慰謝料があります。

 

不貞相手の女性に請求できるのは、あくまで不貞行為そのものに対する慰謝料請求で、離婚慰謝料までは請求することができません。

離婚するかどうかは夫婦が決めることであるため、離婚についての慰謝料を不貞相手にまで請求することは適当でないというのが裁判所の判断のようです。

 

離婚慰謝料は不貞慰謝料よりも高額となることが一般的ですが、離婚慰謝料を請求できる相手は配偶者だけであり、不貞相手に対しては請求することは難しいでしょう。

 

今回相談者さんは離婚も考えているということですが、離婚についての慰謝料を不貞相手に請求することはできませんので、注意が必要です。

 

配偶者と不貞相手から二重に慰謝料を受け取ることができるわけではない

時々、不貞相手と配偶者の両方に慰謝料請求をすることで、2倍の慰謝料が受け取れると考えている方がいらっしゃいますが、基本的にそれは認められません。

不貞行為は、配偶者と不貞相手が二人で共同して不法行為を行ったものとして扱われます。

そして、共同不法行為を行った二人は、連帯して慰謝料を支払う義務を負うことになります。

たとえば、不貞行為の慰謝料が200万円と認定された場合に、二人に対して200万円を請求することができますが、受け取ることができる金額は合わせて200万円ということになります。

200万円の内訳が、100%配偶者からであっても不貞相手からであってもかまいませんし、それぞれから100万円ずつとすることもできますが、200万円を受け取った時点でそれ以上請求することはできません。

 

まとめ

不貞相手が水商売の女性であっても、基本的に慰謝料の請求は可能です。

しっかりと証拠をそろえて相手が言い逃れできないようにしたうえで、不貞相手に対しても慰謝料請求をするとよいのではないでしょうか。

f:id:couple_consultation:20200801145452j:plain