【離婚慰謝料請求と時効③】慰謝料請求の時効を中断させる方法

今回は離婚慰謝料請求と時効についての最後の記事になります。

 

慰謝料請求の時効が永久に来ないケースもある

不貞行為の慰謝料請求ケースの中には永久に時効が来ないケースもあります。

不貞行為などの違法行為の時効は原則的に3年です。
ただ、民法159条には夫婦の権利についての定めがあるため注意が必要になります。

 

民法159条には「夫婦の一方が有する他方に対する権利は離婚して6カ月を経過するまで消えません」と記載されています。

夫婦の片方がもう片方に慰謝料請求する場合、離婚後6カ月は権利が消えないというルールです。

 

逆に考えれば配偶者が不貞行為の慰謝料請求権は離婚しない限り消滅しないということでもあります。

夫婦でいる限り永久に時効がやって来ないと考えることもできるのです。
このように、慰謝料請求の時効が永久に来ないケースもあります。

 

離婚慰謝料や不貞行為慰謝料の時効と起算点は慰謝料請求相手やケースにより変わってくるため複雑です。

 

時効の残り期間について正確に把握したい。
自分の慰謝料請求においては起算点がいつになるか知りたい。
このような場合は専門家である弁護士に起算点と時効について計算してもらうことをおすすめします。

 

なお、民法159条はあくまで配偶者に対しての時効ルールです。
不貞行為の相手に慰謝料請求するときは適用されませんので注意してください。

不貞行為の相手への慰謝料請求の時効はすでにお話しした通り3年で、永久に時効が来ないケースはありません。

 

慰謝料請求では時効や起算点で揉めやすい

慰謝料請求の起算点はトラブルになりやすいポイントです。

たとえば浮気相手に慰謝料請求する場合や離婚せずに配偶者に慰謝料請求する場合は「不貞行為を知ったとき」が時効の起算点になります。

 

知ったかどうかは目に見えないため、不貞行為の相手や配偶者から「もっと前から知っていたのではないか」と主張されて揉めることがあるのです。
知ったときがいつかは目に見えないため証明が難しいポイントになります。

 

慰謝料請求の時効間際に慰謝料請求するときは、配偶者や不貞行為の相手から「もっと前から知っていたのではないか(すでに慰謝料請求の時効期間は過ぎているのではないか)」と反論されるリスクが考えられます。
時効や起算点は揉めやすいポイントなのです。

 

スムーズに慰謝料請求するためにも、時効関係で反論されないよう足場固めが重要になります。
弁護士に相談して時効や起算点の確認をするとともに、慰謝料請求の際は対策を講じておきましょう。

 

慰謝料請求の時効を中断させる方法

慰謝料請求をしたいが準備に手間取ってしまい時効間際になってしまった。

 

慰謝料請求しようと決意したときにはすでに時効が迫っていた。
このようなときは、慰謝料請求を進めている間に時効が完成する可能性があります。

 

慰謝料請求の時効には「中断」という方法があります。

時効を中断することにより慰謝料請求の時効は振り出しに(ゼロ)に戻るのです。
たとえば慰謝料請求の時効が2年11カ月経過していたとします。

この時点で中断の方法を取ることにより、慰謝料請求の時効は起算点、つまり0カ月に戻るのです。

 

慰謝料請求が間に合わない場合や手続きがぎりぎりになってしまう場合は中断により時効完成を防ぐことが可能になっています。

時効の中断は具体的にどのようにしておこなうのか、方法を見ていきましょう。

 

慰謝料の請求をおこない時効を中断する

慰謝料請求の時効は請求により中断します。

請求とは支払い側にただ「払ってください」と申し入れることではなく、裁判や調停、和解、支払督促など手続きを使った請求です。

請求をおこなうことにより時効は中断され、再びゼロからカウントがスタートします。

 

内容証明郵便を使って時効を中断する

請求による時効の中断をおこないたくてもすぐに裁判などを起こせないケースもあります。
すぐに請求できないときは内容証明郵便を使った時効中断の方法があるのです。

まず慰謝料の支払い側に内容証明郵便を送付します。
内容証明郵便を元配偶者(配偶者)や不貞行為の相手に送ると6カ月間時効が止まります。

時効が止まっている間に裁判などの請求をおこなえば、時効の中断効果が得られるのです。

 

慰謝料請求の時効の注意点

慰謝料請求の時効には中断以外にも知っておきたいポイントが3つあります。

 

慰謝料請求の時効は援用によって完成する

慰謝料請求の時効は起算点から数えて時効期間が経過すれば自動的に完成するわけではありません。

 

慰謝料の支払い側が「援用(時効が完成しましたと主張すること)」をおこなってはじめて時効が完成するのです。

つまり、時効期間が経過していても慰謝料を支払う側が時効の援用をしていなければ時効は完成しません。

時効を完成させるかどうかは個人の権利なので、援用して初めて時効が完成するように配慮されているのです。

 

時効期間が経過していても、援用がおこなわれていないケースもあります。
時効間際や時効完成後でも、諦めずに弁護士に相談してみるといいでしょう。

 

慰謝料の自発的な支払いに時効は関係ない

不貞行為の相手や離婚した配偶者などから謝意などで慰謝料の支払いがおこなわれた場合は、時効期間は特に関係ありません。
時効が完成していようが完成していまいが、相手が自発的に支払いをおこなう場合は慰謝料を受け取ることが可能です。

 

時効期間が経過しているからといって受け取れないわけではありません。

 

配偶者や不貞行為の相手が時効の主張ができないケースもある

離婚した元配偶者や不貞行為の相手などが時効の完成を主張しようとしても、主張が許されないケースがあります。

 

たとえば慰謝料の支払い側が慰謝料の一部を支払っている場合は債務を認めたことになりますから、時効完成の主張はできません。
慰謝料の支払い義務を認めたうえで時効を主張するという奇妙な状況になってしまうからです。
離婚した配偶者や不貞行為の相手が慰謝料支払いの姿勢を見せたときも同じく債務を認めたことになりますから、時効の主張ができなくなってしまいます。

 

 

まとめ

離婚慰謝料・不貞行為の慰謝料は基本的に「3年」が時効期間になります。
起算点については請求相手やケースによって変わってくるため注意が必要です。
3年という時効期間の他に20年という除斥期間もあるため注意してください。

 

時効の起算点の確認や期間の計算は法律の専門知識を要する部分です。
計算や起算点を誤ってしまうと、できたはずの慰謝料請求ができなくなってしまいます。

慰謝料請求をミスなくおこなうためにも、離婚慰謝料・不貞行為慰謝料の時効については弁護士に相談することをおすすめします。

 

f:id:samuraigyou:20210307215332j:plain

 

【離婚慰謝料請求と時効②】ケースで異なる離婚慰謝料の時効の起算点

この記事では、前回に引き続きケースで異なる離婚慰謝料の時効の起算点についてみていきたいと思います。

 

不貞行為の相手がわからなかったときの時効の起算点(配偶者)

f:id:samuraigyou:20210307220415j:plain

不貞行為などの慰謝料を請求するときは、配偶者と不貞行為の相手で慰謝料請求の時効の起算点が変わる可能性があります。

 

たとえば不貞行為をした配偶者と離婚せずに慰謝料請求するとします。
このようなケースでは慰謝料請求の時効の起算点は「不貞行為が発覚したとき」です。
不貞行為が発覚したときから3年が時効期間になります。

 

なお、婚姻関係を継続する場合は配偶者には不貞行為の慰謝料請求をおこなわないケースも少なくありません。
離婚せず配偶者に不貞行為の慰謝料請求をしてしまうと、家庭に亀裂が生じてしまう可能性があるからです。
また、配偶者にお金がなければ慰謝料は家計から出ていきます。

 

その慰謝料が不貞行為の被害にあった配偶者の手に渡ることを考えれば、家計から出て行った慰謝料が家計に戻ってくるという結果になることがあるのです。
出て行って戻ってくるケースでは差し引きゼロになってしまうことから、慰謝料請求そのものをおこなわないこともあります。

 

不貞行為があって配偶者と離婚する場合の時効起算点と計算には「離婚のとき(離婚成立のとき)」から起算と計算する方の時効を使って慰謝料請求するケースが多くなっています。

 

不貞行為の相手がわからなかったときの時効の起算点(浮気相手)

f:id:samuraigyou:20210307220455j:plain

配偶者の不貞行為の相手に慰謝料請求するときの時効の起算点は「不貞行為の事実と不貞行為の相手が判明したとき」になります。
不貞行為の事実が判明し、かつ、不貞行為の相手の名前や住所など慰謝料請求に必要な情報がそろった時点から3年が慰謝料請求の時効です。

 

配偶者の場合は不貞行為が発覚したときから3年であることと比較してください。
配偶者の場合は不貞行為の慰謝料請求に必要な住所や名前といった情報がわからないことがあり得ないため、不貞行為の相手の慰謝料請求時効のように「住所や名前など相手が判明したとき」という条件がなかったのです。

 

不貞行為の相手の場合は顔だけわかるケースや不貞行為の相手がいることは察していたが慰謝料請求に必要な情報を得ていないケースなども考えられます。
慰謝料請求できるくらいの情報がない段階で時効が進行してしまうと、情報収集している間に時効が大部分過ぎてしまいかねません。

 

中には不貞行為の相手の情報を突き止めようとしている間に時効が完成するケースもあることでしょう。

 

そのため、不貞行為の相手に慰謝料請求するときの時効の起算点については、不貞行為の事実を知ったときではなく、不貞行為の事実を知りさらに慰謝料請求できるくらいの不貞行為の相手を知ったときが時効の起算点になるのです。

 

不貞行為の相手に慰謝料請求するときは、配偶者への慰謝料請求時効や離婚慰謝料請求の時効などと混同しないよう注意が必要になります。

 

不貞行為の事実を知らなかったときの時効の起算点

f:id:samuraigyou:20210307220510j:plain

不貞行為の中には不貞行為後するに慰謝料請求が問題になるのではなく、不貞行為からかなり時間が経ってから不貞行為の事実に気づいて慰謝料請求問題になることもあります。

時間が経ってから不貞行為に気づいて慰謝料請求する場合の時効や起算点はどうなっているのでしょう。

 

不貞行為から時間が経ってから慰謝料請求する場合は慰謝料請求の除斥期間が経過しているかどうかが重要になります。
民法724条には不貞行為の3年という時効の他に20年という除斥期間も定められているのです。

 

不貞行為から20年経過すると、その不貞行為に気づいていようが気づいていまいが、慰謝料請求できなくなります。この場合の20年の起算点は「不貞行為をしたとき」です。

 

たとえば、離婚した元配偶者が10年前に不貞行為したのを不貞行為から10年経ってから知りました。
このようなケースでは20年経過していませんし、不貞行為に気づいたのが不貞行為後10年の時点です。
よって、基本的に慰謝料請求が可能です。

 

では、不貞行為から25年経ったときに元配偶者の不貞行為に気づいたケースはどうでしょう。
不貞行為から25年経っていますから、このケースでは原則的に慰謝料請求はできません。
時間が経ってから不貞行為に気づいた場合は、不貞行為をしたときを起算点にして20年経過しているかどうかで慰謝料請求の可否が変わってくるのです。

 

f:id:samuraigyou:20210307214424j:plain

 

【離婚慰謝料請求と時効①】3年の時効とは?

離婚慰謝料の請求をおこなうためには時効に注意が必要です。
慰謝料請求できる理由があっても離婚慰謝料請求の時効が過ぎてしまうと慰謝料請求はできません。

 

スムーズに慰謝料請求するためにも「慰謝料請求できる期間」である時効に気を配ることが重要なのです。

 

この記事から3回にわたって離婚慰謝料請求・不貞行為慰謝料請求の時効や起算点について説明します。
あわせて慰謝料請求の時効が迫っているときの対処法である中断や中断方法についても解説します。

 

離婚慰謝料の時効は原則として3年

離婚慰謝料とは「離婚の精神的な苦痛への賠償金」です。
離婚といえばよく財産分与などが取り上げられますが、離婚慰謝料も離婚に際して問題になる金銭のひとつになります。

 

離婚慰謝料は離婚のときに必ず発生するわけではなく、離婚慰謝料の発生原因があるケースにのみ請求できます。
不貞行為やモラハラ、暴力などが主な離婚慰謝料の発生原因です。

 

離婚慰謝料の時効は原則として「3年」になっています。
この3年という慰謝料請求の時効期間は民法724条に定めがあるのです。
民法724条には不法行為の慰謝料請求は3年が時効であると記載があります。

 

不法行為という言葉から犯罪を想像するかもしれません。
不貞行為も不法行為の一種になります。モラハラや暴力(DV)なども不法行為の一種です。

不法行為とは故意や過失で相手の利益や権利を侵害することをいいます。
不貞行為やモラハラなども故意や過失で被害を受けた配偶者の利益や権利を侵害することですから不法行為のひとつに数えられているのです。
そのため慰謝料請求の時効は民法724条に定められるルール通りに「3年」となっています。

 

離婚慰謝料の請求をするときの問題のひとつに「時効の起算点はいつなのか」があります。

 

ケースで異なる離婚慰謝料の時効の起算点

離婚の起算点が変わってくることで慰謝料請求の可否まで変わってきます。
たとえば平成2年10月1日を離婚慰謝料の時効の起算点にした場合と同年11月1日を時効の起算点にした場合は、いつまで慰謝料請求が可能なのかが変わってくるのです。
前者は後者より1カ月早く時効期間が満了してしまいます。

 

対して後者は前者より1カ月ほど遅い日付まで慰謝料請求できることになるのです。
離婚慰謝料請求の準備を進めている人にとって1カ月の違いは非常に重要なポイントではないでしょうか。

離婚慰謝料請求の進め方にも関わってきます。
このように、離婚慰謝料請求の時効の起算点は慰謝料請求において重要ポイントなのです。

 

離婚慰謝料請求の起算点はケースによって異なります。
離婚慰謝料請求の時効の起算点について、5つのケースごとに図で説明します。

 

離婚慰謝料3年の時効の起算点

f:id:samuraigyou:20210307220146j:plain

 

不貞行為やDV、モラハラなどで夫婦が離婚したときの離婚慰謝料の請求時効の起算点は「離婚のとき(離婚が成立したとき)」です。

 

慰謝料とは心の苦痛に対して支払われる賠償金だとお話ししました。
離婚慰謝料の場合は離婚のときに心の苦痛が発生するという考えにもとづき、慰謝料請求の起算点が離婚のときになっています。

 

離婚のときから3年間は離婚慰謝料請求が可能で、離婚のときから3年間離婚慰謝料の請求をせずに放置してしまうと、離婚慰謝料の請求が原則的にできなくなってしまうのです。

 

不貞行為をした配偶者などと離婚して慰謝料請求するときなどによく使われる時効の起算点になります。

 

慰謝料分割払いのときの時効の起算点

f:id:samuraigyou:20210307220318j:plain

慰謝料は一括払いが基本です。
しかしながら慰謝料はまとまった額になることが少なくないため、支払いする側と受け取る側の交渉次第では分割払いが使われることもあります。
分割払いの場合は慰謝料時効の起算点が変わってくるため注意が必要です。

 

離婚慰謝料を分割払いで受け取るときの時効の起算点は「最後に慰謝料を支払ったときから3年」になります。
どの時点で離婚慰謝料の分割払いが滞ったかによって時効の起算点が変わってくるのです。

たとえば令和2年10月31日が離婚慰謝料の分割払い分が最後に支払われて以降滞納しているとすれば、原則的に10月31日から3年が時効期間になります。

慰謝料を分割払いで受け取るときに支払いが滞ったら時効と起算点に注意して回収を進める必要があります。

 

f:id:samuraigyou:20210307213622j:plain

 

慰謝料請求の種類と弁護士に相談するメリット

慰謝料請求されたときは、どのような方法で慰謝料請求されたかによって無視し続けるとどうなるかが変わってきます。

 

慰謝料請求されたときは請求方法に注目することが重要です。
慰謝料請求されるときの方法について説明します。

 

慰謝料請求の方法の種類とは

口頭や文書によって慰謝料請求された

慰謝料請求は必ず裁判所を通す必要はなく、文書や口頭で請求することも可能です。
口頭の場合は直接会って請求したり、電話を使ったりします。

文書の場合は郵便局の内容証明郵便がよく使われています。
この他にメールなどを用いて慰謝料請求することもあるのです。

 

口頭や文書などで慰謝料請求された場合はよく「言った」「言わない」のトラブルになります。
口頭のみでの慰謝料請求は証拠も残らないため、加害者側にとっては無視しやすいのではないでしょうか。

 

注意したいのは内容証明郵便による慰謝料請求です。
内容証明郵便での慰謝料請求は発送したことと内容が郵便局に記録として残ります。
手紙は証拠が残らないだろう。「受け取っていない」と主張すれば、後から無視したことの言い訳にできると思うかもしれません。

内容証明郵便は事実が残るため言い訳が難しくなります。注意してください。

 

支払督促によって慰謝料請求された

裁判所には通常訴訟の他にもいくつかの手続きがあります。
支払督促は裁判所の手続きのひとつです。

裁判所の書記官に申し立てて、加害者に支払い督促を裁判所の名前で送付してもらう手続きが支払督促になります。

 

督促は個人でもおこなわれるため、裁判所から発送される支払督促を個人の督促と同じように考える人もいます。

支払督促は裁判所が関与するため、個人の督促にはない力が認められているのです。
支払督促を無視するリスクについては後の見出しで説明します。

 

裁判所の調停により慰謝料請求された

裁判所の調停手続きとは、裁判所の一室で調停委員という学識豊かな第三者を交えて、話し合いによる慰謝料請求問題を解決する方法です。

裁判所といえば裁判や判決という印象があるかもしれません。
しかし調停の場合は話し合いとしての性質が強い手続きになります。判決はありません。

調停は話し合いがまとまると成立し、話し合いが決裂すると不成立になります。

 

裁判所の訴訟によって慰謝料請求された

証拠や主張を出し合い、最終的に裁判官が判決を下す手続きが訴訟です。
訴訟は調停のような話し合いではありません。

 

被害者側と加害者側の主張が食い違っていても、最終的に判決により決着します。
加害者が慰謝料再給されたのを無視していても判決を下すことができるため、慰謝料請求問題の最終的な解決方法として使われるのが訴訟です。

 

慰謝料請求されたときに弁護士に相談するメリット

慰謝料請求されたのを無視することにはリスクがあります。
不利益な立場にも立たされ、加害者側にとって無視にメリットはありません。

 

すでに無視している場合は、被害者側が訴訟などの準備をしていることも考えられるのです。
迅速に慰謝料請求問題について解決するためにも、弁護士に相談することをおすすめします。

 

弁護士に相談することには3つのメリットがあります。

 

1.慰謝料請求されたときに無視しても訴訟になる前に解決できる

慰謝料請求されたときに無視すると「話し合いは難しい」と判断されて訴訟などに発展するリスクが高くなります。

すでに無視しているときは弁護士に依頼して、早急に慰謝料問題の解決について動けば、訴訟を回避できる可能性があるのです。

 

自分で動くと法的知識や交渉知識、経験などの乏しさから、相手の方が先に訴訟を提起する可能性があります。

実務経験や示談交渉の知識が豊富な弁護士に相談することで効率的に動けますので、訴訟になる前に適切な行動や交渉で解決できる可能性が高くなります。

 

2.慰謝料請求されたのを無視して訴訟などになっても任せられる

慰謝料請求されたときに無視して訴訟になったとしても、弁護士に依頼しておけば対応を一任できます。
訴訟の出席や訴訟の答弁書なども弁護士に一任でき、弁護士は依頼者のたえに動いてくれます。

 

弁護士と方針について相談しておけば、基本的に自分は手続きの報告を受けるだけで差し支えありません。

 

3.無視した後にも適切な条件で和解や示談交渉できる

慰謝料請求されたのを無視していると、被害者の心証に関わります。
また、慰謝料を増額されるなど、条件的にも不利になる可能性があるのです。
弁護士に依頼することで不利な条件でも和解や示談を回避できます。
仮に相手が増額で慰謝料請求してきた場合や不利な条件をつけてきた場合でも、弁護士が適切な額や条件を提示し、適切な慰謝料額や条件での和解や示談が可能なのです。

 

 

慰謝料請求されたのを無視することは、請求された側にとってメリットはありません。
むしろ訴訟リスクや不利な立場に立たされるなど、デメリットばかりです。
慰謝料請求は無視せず、早めに適切な対処をすることが重要です。

 

無視してしまった場合は弁護士に相談しましょう
早めに相談することで、弁護士による対応でデメリットを回避できる可能性があります。
弁護士に相談して、トラブルが深刻化する前に解決してはいかがでしょう。

 

f:id:samuraigyou:20210225141748j:plain

 

慰謝料請求されたのを無視し続けるとどうなる?NG対応例も

慰謝料請求されたときに無視を続けていればいずれ相手は諦めるだろう。
無視していれば解決するだろうと思っていませんか。

 

慰謝料請求されたときに無視を続けることは得策ではありません。
慰謝料請求されたときに無視を続けることにより、請求された側である自分が不利になる可能性があるのです。

 

すでに慰謝料請求されたのを無視している人は、あらためて対応について考えてみてはいかがでしょう。

 

この記事では、慰謝料請求されたが無視を続けているとどうなるか説明します。
あわせて、慰謝料請求されたのをさらに無視しているとどうなるのか、NG対応など、今後の対処のヒントになる知識も解説します。

 

慰謝料請求されたのを無視し続けるとどうなる?

訴訟や支払督促、口頭や書面での請求、支払督促などそれぞれの方法によって慰謝料請求されたときに無視を続けるとどうなるのでしょうか。

無視し続けた場合にどうなるか方法ごとに説明します。

 

口頭や文書によって慰謝料請求されたのを無視し続けた

口頭や文書で慰謝料請求されたのを無視し続けると、調停や訴訟などの裁判所手続きを使われる可能性があります。

文書や口頭でいっても無視されるなら、無視されない方法で慰謝料請求問題を解決するしかありません。

文書や口頭での慰謝料請求と異なり「裁判所での手続きなら出てくるだろう」と被害者側が考える可能性があるのです。
文書で慰謝料請求されたときの文書が残っていれば、訴訟などで証拠として使われる可能性もあります。

 

たとえば内容証明郵便の場合は郵便局に内容と送付の事実が残りますから、口頭や文書によって慰謝料請求されたのを無視し続けると、訴訟などで証拠として使われる可能性があるのです。

仮に証拠として使われた場合「解決の機会があったのに無視した」と裁判官が感じるかもしれません。
心証によって加害者側に不利な判決が出る可能性があります。

 

支払督促によって慰謝料請求されたのを無視し続けた

支払督促は異議申し立てなく2週間が経過すると、強制執行の材料になります。
つまり、無視し続けると支払督促を使った強制執行がおこなわれる可能性があるのです。

慰謝料請求の支払督促を無視していると強制的に財産をおさえられ、慰謝料を回収されるリスクがあります。

 

調停により慰謝料請求されたのを無視し続けた

調停はあくまで当事者の話し合いですから、無視するとまとまる話し合いもまとまりません。
調停を無視し続けると「調停という話し合いの場で解決することは無理だろう」という判断から訴訟になる可能性があります。

 

仮に調停を無視し続けて訴訟になった場合、当然ですが調停を無視し続けていたことを被害者側から指摘されるはずです。
裁判官の心証にも関わり、不利な判決が出る可能性もあります。

 

訴訟により慰謝料請求されたのを無視し続けた

訴訟により慰謝料請求されたのを無視し続けると、加害者側に不利な判決が出る可能性が極めて高くなります。

訴訟の第一回期日は、書面さえ提出しておけば陳述擬制(本人が陳述したと見なされる)があるので、特に問題ありません。

 

しかし、第二回目以降には陳述擬制はありません。
また、第一回目の時点で書面すら提出していない場合には、陳述擬制はありません。加害者側に不利な結果になってしまうのです。

 

慰謝料請求されたときの対応NG例

慰謝料請求されたときに無視することにはリスクが伴います。
無視は、慰謝料請求においてしてはいけないことなのです。

無視以外にも慰謝料請求されたときにしてはいけないNG行動があります。
慰謝料請求されたときの無視以外のNG行動についても知っておきましょう。

 

慰謝料請求されたときにウソをつく

慰謝料の額は加害者側の態度によっても増額されます。
証拠があるのに不倫などを認めずウソをついてしまうと、慰謝料が上乗せされるリスクがあるのです。

 

確固たる証拠がないだろうと思ってウソをつくと、かえって被害者側が躍起になって証拠の準備をおこない、極めて不利な立場になる可能性もあります。
慰謝料請求されたときは無視以外にウソをつかないよう注意することも重要です。

 

慰謝料請求されたときに感情的に応じること

すでにお話ししましたが、加害者側の態度も慰謝料額に関係します。
被害者が慰謝料の示談交渉を申し入れてきたときや口頭で慰謝料請求してきたときなどに感情的に応じてしまうと、慰謝料額を増額されてしまう可能性があります。

 

加えて相手の心証を害し、慰謝料の減額などを申し入れても聞く耳を持ってもらえない可能性もあるのです。
また、感情的になってしまうと暴言や失言をしやすくなります。
暴言や失言により、慰謝料請求で不利な立場に立たされるリスクもあります。

 

慰謝料請求されたときに確認せず書面に記名押印する

被害者側が押しかけてきて示談書などに記名押印を求めることがあります。
慰謝料の話を早く終わらせたい。
押しかけられると迷惑。

このような気持ちで内容をよく確認せず記名押印すると、不利な立場に立たされてしまいます。

 

示談は基本的にやり直しできません。
記名押印してしまうと示談書を証拠に不利な立場に立たされてしまうことでしょう。

 


被害者側の押しかけがあれば、迷惑行為の問題になります。
示談書などを提示されたときは内容をよく確認し、わからないところや不安な点があれば弁護士に確認するようにしましょう。

 

f:id:samuraigyou:20210225141048j:plain

 

慰謝料請求を無視するのがだめな理由

慰謝料請求を無視することは得策ではありません。
なぜなら、無視を続けることによって慰謝料請求された側が不利になるだけだからです。

 

慰謝料請求されたが無視を続けているとトラブルが深刻化し、穏便に解決できたはずの慰謝料請求が訴訟問題になるなど、解決がより困難になります

 

慰謝料請求されたのを無視するとなぜダメなのか。
慰謝料請求されたトラブルがどのように深刻化するのか。
もう少し具体的に見てみましょう。

 

1.慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉で不利になる

慰謝料請求を無視すると示談交渉で不利になるリスクがあります。
慰謝料の交渉においては、加害者側の態度も交渉材料や慰謝料算定の材料になるのです。

 

示談交渉は慰謝料について決める話し合いですから、被害者側から「話し合いをしよう」と持ちかけているのに加害者が無視しては、話し合いの余地はありません。

交渉次第では話し合いだけで穏便にまとめられ、なおかつ慰謝料額についても加害者が真摯に応じることで考慮してもらえる可能性もあったのに、慰謝料請求されたのを無視することで、せっかくの話し合いでの解決や慰謝料額に配慮してもらえるチャンスをふいにしてしまったことになるのです。

 

仮に一度無視してから慰謝料請求の示談交渉をしたいと申し入れても、被害者側は減額などの交渉に取り合ってくれないかもしれません。

慰謝料請求されたのを無視していたのに減額などを申し入れてくるのは虫の良い話ではないかと、交渉自体に応じない可能性もあります。
被害者側の心証もよくない他、訴訟などになったときは無視したことを被害者側に主張され不利になるかもしれません。

このように、示談交渉や慰謝料額や話し合いによる解決、被害者側の心証という点で、慰謝料請求されたのを無視することはダメなことなのです。

 

2.慰謝料請求されたのを無視すると訴訟になる

慰謝料請求されたのを無視されると、訴訟リスクが高くなります。
なぜなら示談交渉で慰謝料請求問題を解決できないからです。

 

慰謝料の請求は基本的に示談交渉からスタートします。
被害者側が慰謝料を請求し、慰謝料額や条件を被害者と加害者が話し合う(示談交渉する)ことで決めます。

慰謝料請求されたのを無視すると示談交渉が進みませんから、話し合いで解決することは難しいと判断される可能性があるのです。
話し合おうにも慰謝料請求を無視しているのですから、被害者側には手の打ちようがありません。
加害者を慰謝料請求の場へと引っ張り出すには、訴訟などの裁判所手続きを使うしかないと判断されるはずです。

 

訴訟になって慰謝料請求されたのを無視していたことを詫びたり、訴訟になってから真摯に対応したりしても、後の祭りです。

被害者にはすでに慰謝料請求を無視されたことに対する心証があります。
また、実際に無視したという事実があるため、訴訟で無視について追及されて不利になる可能性があるのです。

 

慰謝料請求を無視すると訴訟リスクが高くなり、さらに訴訟でも不利になるということです。

 

3.慰謝料請求されたのを無視すると不倫をバラされることも

慰謝料請求されたのを無視していると、不倫をバラされたり悪評を振りまかれたりするリスクがあります。

 

被害者側が冷静なら慰謝料請求されたのを無視されたからといって、不倫の事実をばらまいたりすることはありません。

しかし、不倫などの事実があり、さらに慰謝料請求されたのを無視されたとなれば、さすがに被害者側も冷静ではいられないかもしれません。
頭に血が上ってしまい、普段はしないような過激な行動や、加害者が予想していないような行動をするかもしれないのです。

 

会社や家に尋ねてきたり、家族や同僚、友人などに不倫などのこと、そして慰謝料請求を無視していることを言いふらされたりするかもしれません。
慰謝料請求を無視したからといって言いふらした会社などにやってくることが許されるわけではありませんが、冷静さを欠いてしまうと、このような行動をしないとも限りません。

 

また、仮に会社や家に来訪されたり、不倫などを言いふらされたりすると、慰謝料請求されたときに無視していることもあって、周囲からの信頼に傷がつくリスクもあるのです。

 

信頼を守り被害者に過激な行動を取らせないためにも、慰謝料請求されたのを無視することは得策ではありません。

 

f:id:samuraigyou:20210225140918j:plain

 

年金分割をしたくない場合

今回は、年金分割をしたくないという方からのご相談です。

 

ご相談

妻と離婚することになりました。

大体の離婚条件も話し合いが済んでおり、親権は妻で、養育費や財産分与についてもおおむね決まっています。

一つ心配なのが、年金分割のことです。

私は結婚期間中の15年間ずっと厚生年金に加入しており、妻は専業主婦でした。

このような場合、年金分割を妻が求めた場合には必ず応じなければならないのでしょうか。

今のところ妻からは何も言われていませんが、分割しないで済む方法があれば、正直分割したくありません。

養育費や財産分与は相場以上に払う予定なので、年金まで取られるのは避けたいのが本音です。

 

アドバイス

年金分割の制度が始まり、気にされる方も多くなりましたね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

年金分割制度とは

年金分割は、結婚期間中に厚生年金保険料を納付していた場合に、その納付実績を夫婦で分け合う制度です。

分割を受けた側は将来受け取る年金額が増えることになり、分割された側は将来受け取る年金額が減ることになります。

相談者様のケースでは、相談者様が厚生年金保険料を納付しており、奥様は専業主婦で扶養に入っていたということなので、相談者様の納付実績を夫婦で分け合うことになります。

 

年金分割には3号分割と合意分割がある

この年金分割には、3号分割と合意分割があります。

3号分割と合意分割の違いは、分割される年金保険料の納付期間の範囲です。

3号分割の場合、平成20年4月以降の厚生年金の納付実績が対象となり、合意分割の場合には結婚期間全体の厚生年金の納付実績が対象となります。

 

3号分割については、請求者が一人で年金分割の手続きをすることができます。

 

一方、合意分割の場合には、夫婦で合意(調停などによる決定を含む)をする必要があります。

 

そのため、もしも相談者様の奥様が3号分割をしようとすれば、相談者様の合意がなくても一人で手続きができるということです。

これを阻止する方法は、残念ながらありません。

 

一方、合意分割については、基本的に夫婦での合意ができなければ奥様は手続きをすることができません。

年金分割について話し合い、奥様が年金分割の権利を放棄してくれるのであれば、分割せずに済みます。

 

放棄してもらうかあえて年金分割に触れないか

年金分割をしたくない場合、現実的な選択肢としては2つあると思います。

一つ目は、年金分割について奥様と話し合い、年金分割はしないという同意を得ることです。

年金分割をしないという合意ができた場合、それをきちんと書面に残すことが大切です。

離婚協議書を作成する際、「年金分割を行わないことに合意した」という内容をしっかりと記載しておきましょう。

 

ただし、この合意をした場合でも、3号分割については奥様一人で手続きができてしまうため、それを阻止することは現実的には難しいと言わざるを得ません。

 

奥様に年金分割をしないことに納得してもらうためには、財産分与などで奥様の意向をできるだけ尊重するなど、年金分割以外の面でメリットがあるようにして説得すればスムーズに話し合いが進む可能性があります。

 

二つ目の方法は、年金分割について自分からは何も話さないことです。

年金分割の請求ができるのは、離婚から2年以内です。この期限を過ぎると、手続きができなくなります。

奥様の性格にもよりますが、2年間請求しそうもないのであれば、あえて自分から年金分割の件には触れずに離婚してしまうと言うのも選択肢の一つです。

ただし、上述のとおり3号分割については離婚後も奥様一人で手続きができますので、2年以内に年金分割のことを思い立ち、一人で手続きをしてしまう可能性は十分にあります。

年金分割については認知度も上がってきているため、奥様が知らない可能性は低いと考えられます。

f:id:couple_consultation:20201114111018j:plain

 

私立学校の学費と養育費について

今回は、子どもが私立中学校に通っている場合の養育費についてのご相談です。

 

ご相談

現在、夫と離婚についての話し合いをしています。

私たちには中学生の子どもがおり、離婚後は私が親権者となる予定です。

この場合の養育費について教えてください。

夫は、家庭裁判所の養育費算定表をそのまま使って養育費を決めればよく、学費も養育費に含まれると言っていますが、それでは私立中学校の学費の負担が大きく不公平だと感じます。

私立中学校に通っている場合、学費については養育費と別に支払ってもらうことはできるのでしょうか。

 

アドバイス

お子様が私立学校に通っている場合、学費のことは気になりますよね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

養育費算定表では私立の学費は考慮されていない

養育費を決める際、家庭裁判所が採用している「養育費算定表」を使って養育費の基準額を確認するケースは多いでしょう。

この算定表では、夫婦の収入、子どもの年齢、人数を基に簡単に養育費の基準額を知ることができ、便利です。

養育費算定表の金額には、子どもの衣食住にかかる費用や教育費も含まれています。

ただし、この簡易的な算定表では、個別の事情までは考慮していません。

私立学校の学費は算定表では考慮されておらず、一般的な公立学校に通っている前提での算定方法です。

そのため、私立学校に通っている場合には、それを考慮したうえで養育費を決めるべきものと考えられます。

 

学費について養育費の増額請求が認められる場合

養育費について合意できない場合、調停を申し立てることになるかと思います。

調停でも当事者同士が合意できない場合には、審判の手続きに移行し、裁判所が一切の事情を考慮したうえで養育費を決定することになります。

 

私立学校に通っていることを理由に算定表よりも高額な養育費を請求した場合、それが認められるケースと認められないケースがあります。

 

認められやすいケースとしては、以下のようなものがあります。

 

①親が高学歴

両親が高学歴という場合、その親の子どもも同じように高度な教育を受けることは自然なことであり、そのための費用を親が負担すべきであると判断される可能性があります。

 

②私立学校に通うことに同意していた

離婚する前から夫婦が子どもが私立学校に通うことに同意しており、すでに子どもが私立学校に通っている場合には、私立学校の学費についての養育費増額が認められやすくなります。

 

③請求される側の収入が多い

請求される側の収入が多い場合には、養育費算定表の金額以上の負担をすることは困難ではないと考えられるため、増額が認められる可能性が高くなります。

 

認められにくいケースとしては、以下のようなものがあります。

 

①請求される側の収入が低い

請求される側の収入が低く、養育費算定表以上の金額を支払うことが現実的に困難な場合には、増額は認められにくい傾向があります。

 

②私立学校に通うことに同意していない

私立学校に通うことに対し、元々配偶者が同意していなかったようなケースでは、増額が認められにくい場合があります。

 

まとめ

子どもが私立学校に通っている場合には、養育費算定表の金額をそのまま採用するのではなく、学費も考慮して金額を算定するのが一般的です。

たとえば、年間の学費が100万円という場合、夫婦の収入に応じて夫が6割負担することとする場合には、年間60万円、月5万円を増額するなどの方法が考えられます。

 

養育費はあくまでも子供のためのものなので、そのことをご主人に伝えて話し合いをするとよいのではないでしょうか。

当事者同士の話し合いで折り合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てる方法も考えてみてください。

また、養育費について取り決めたときは、不払いになるのを避けるために公正証書を作成することをお勧めします。

f:id:couple_consultation:20201114114710j:plain

 

内縁関係での財産分与や慰謝料請求

今回は、入籍していない事実婚の状態でも財産分与や慰謝料を請求できるか知りたいという方からのご相談です。

 

ご相談

これまで約20年間事実婚状態で生活してきた夫から一方的に別れを切り出されました。

恐らく他に好きな女性がいるのだと思います。

入籍はしていませんが、周囲からも夫婦として扱われてきましたし、夫のことを妻として支えてきました。

私は専業主婦で夫に養ってもらってきたため、自分名義の貯金などほとんどありません。

離婚後の生活が不安です。

このような場合、入籍していなくても普通の夫婦の場合と同様に、財産分与や慰謝料を請求することはできますか?なお、子どもはいません。

 

アドバイス

突然内縁のご主人から別れを切り出されて、さぞ困惑されていることと思います。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

内縁の夫婦でも入籍している夫婦に準じた扱いをされる

相談者様は、入籍はしていないものの事実婚状態とのことです。

このような場合、内縁関係であることが認められれば、夫婦に準じた扱いがされることになり、財産分与や慰謝料を請求できる可能性があります。

 

内縁関係であることが認められるためには、基本的に以下の条件をすべて満たしている必要があります。

①同居して生計を同一にして生活してきたこと

②婚姻届の提出をしていないがお互いに夫婦という認識を持っていること

③対外的にも夫婦であることを表明していること

 

相談者様の場合、①については満たしているでしょう。

②については、ご主人も夫婦と言う認識を持っていれば問題ないでしょう。

③については、親族や職場関係者とも夫婦同然に付き合ってきていたことや、夫の社会保険の扶養に入っていること、結婚式を挙げたこと、住民票に「未届けの妻」「妻(見届)」などと記載されている事実があれば、内縁関係であることが認められる可能性が高くなります。

相談者様達には子供はいないということですが、子供がいる場合には子供をご主人が認知しており、子どもを扶養している場合には内縁関係であることが認められやすくなります。

 

財産分与や慰謝料については基本的に当事者同士の話し合い

 

財産分与や慰謝料については、基本的には当事者同士の話し合いによって決めることになります。

財産分与は、内縁関係が続いた期間中に二人で築いた財産を分け合うこととなり、基本的には半分ずつ分けることになります。

相談者様の場合、約20年内縁関係が続いているとのことなので、この間に築いた財産を二人で分け合うことになるでしょう。

 

慰謝料については、入籍している夫婦と同様に、必ず請求できるものではありません。

どちらか一方が離婚原因を作った場合で、それが不貞行為(不倫)、悪意の遺棄(夫婦の義務である同居、協力、扶助の義務を怠ること)、DVなどといった不法行為となるときに請求することができます。

今回、ご主人が一方的に別れを口にしているようですが、もしご主人が勝手に家を出て行ってしまったら悪意の遺棄に該当する可能性がありますし、他に女性がいて不倫しているのであれば不貞行為に該当して慰謝料請求できる可能性があります。

また、このような事情がない場合でも、別れを受け入れてもらうために「慰謝料」もしくは「解決金」といった名目で金銭を支払い、関係を解消する場合もあります。

 

また、当事者同士の話し合いが上手くいかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。「内縁関係調整調停」で、内縁関係の解消についてや、解消に際しての財産分与や慰謝料をどうするかといった問題についても調停委員を介した話し合いをすることができます。

 

もしご主人が一方的に関係の解消を迫って話し合いにも応じないような場合には、調停も検討してみてはいかがでしょうか。

f:id:couple_consultation:20201114111104j:plain

 

顔を合わせずに離婚する方法について

今回は、ご主人と顔を合わせずに離婚をしたいという方からのご相談です。

 

ご相談

現在夫と別居中で、このまま離婚したいと思っています。

夫には以前離婚したいことをやんわりと伝えましたが、はっきりとした返事はありませんでした。

夫は興奮すると大きな声を出したり、たまに手を挙げることもあるので直接離婚の話し合いをすることは避けたいと思っています。

顔を合わせずに離婚をすることは可能でしょうか。

 

アドバイス

配偶者と顔を合わせずに離婚の手続きを済ませたいと考えられる方は多いですね。私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

離婚の方法には、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の方法があり、それぞれ手続きの方法が異なります。

まずは協議離婚することを目指すこととなり、相手が話し合いに応じないなどで協議離婚が不可能であれば調停離婚、調停離婚でも離婚の合意が得られなかったり離婚条件に合意できなければ、最終的には裁判離婚を検討することとなります。

それぞれの手続きで、配偶者と顔を合わせずに済むかを説明します。

 

協議離婚

協議離婚の場合、当事者同士に離婚の合意が成立すれば、顔を合わせることなく手続きが可能です。離婚届に相手の署名をしてもらう必要がありますが、これは郵送のやり取りでも可能です。

離婚条件(財産分与や慰謝料、子どもがいる場合には親権や養育費など)についても話し合う必要がありますが、必ずしも直接会って話す必要はなく、電話やメール、手紙などでやり取りすることも可能です。

ご主人がこれらの方法での話し合いに応じてくれるのであれば、特に顔を合わせる必要はないでしょう。

 

調停離婚

調停離婚は、家庭裁判所に申し立てを行い、調停委員を介して当事者同士の意見の調整を図っていく方法です。

調停では当事者双方が家庭裁判所に出頭する必要がありますが、相手と別席を希望することを伝えておけば、基本的に別々で調停の部屋に呼ばれることとなり、相手と顔を合わせる必要はないのが通常です。

ただし、話し合いの結果合意に至った場合には、最後の調停期日では双方の意思確認を行うために、同席になるのが原則です。

例外として、DV被害を受けていたなど同席することが精神的に耐えがたいようなケースでは、最終期日でも別席で対応してもらえる場合もあります。

相手に対して強い恐怖心などがある場合、あらかじめ裁判所にその旨を伝えておけば、できるだけ裁判所内でもばったり会ってしまうことがないような対応をしてくれることも多いです。

 

裁判離婚

裁判離婚の場合、基本的には代理人の弁護士を双方が立てることになるでしょう。

裁判をするためには、専門的な知識や経験がなければ対応が難しいからです。

そのため、裁判手続きは弁護士同士が出席することとなり、当事者が出席する必要は基本的にはありません。

ただし、当事者尋問といって、当事者本人が裁判官の前で証言をする手続きのときには、本人が出席する必要があります。この当事者尋問は、夫と妻それぞれに対して同じ日に行われることが基本なので、その際に、配偶者と顔を合わせなければならない可能性が高いでしょう。

例外として、DV被害を受けているようなケースでは、配偶者と顔を合わせずに済むように遮へいなどの対応をしてもらえる場合があります。

 

まとめ

離婚の話し合いは、必ずしも顔を合わせる必要はなく、相手が応じてくれるのであれば電話やメール、手紙などで話をしてみてはいかがでしょうか。

別居中ということなので、相手がどのように考えているのかをまずは確認する必要があるでしょう。

ただし、相談者様の場合、ご主人に対して恐怖心をお持ちのようなので、自分が不利な形で離婚することになったり、相手が離婚の話し合いに応じてくれない場合を考えると、一度弁護士に相談することも検討する必要があるかもしれません。

 

f:id:couple_consultation:20201114111145j:plain

 

義理両親との不仲による離婚請求

今回は、義理両親との関係を理由として離婚したい方からのご相談です。

 

ご相談

夫の両親との関係が上手くいかず、離婚をしたいと考えています。

夫の両親はとても過干渉で、私たち夫婦の問題にことごとく口を挟んできます。

子育てについても私のやり方がおかしいと否定して自分のやり方を押し付けて来たり、事前の連絡もなく突然家を訪問されたりしてもう限界です。

夫には何度も義理両親に過干渉を止めるよう注意してほしいと頼んでいますが、口では分かったと言うものの、ほとんど見て見ぬふりで一向に改善しません。

このような場合、私から一方的に離婚を求められますか?

 

アドバイス

義理両親が過度に干渉してくるのはストレスになりますね。

私にできるアドバイスをさせていただきます。

 

義理両親との関係だけで一方的な離婚は難しい

現在の状況で離婚ができるかということですが、ご主人が離婚に同意するのであれば、どのような状況であっても離婚は可能です。

ただし、ご主人が離婚に同意しない場合、義理両親との関係だけを理由とした離婚請求が認められる可能性は低いでしょう。

 

一方的な離婚請求が認められるためには、法定離婚事由という、法律上離婚が認められる原因があることが必要です。

その中で、認められる可能性のある事由としては、「婚姻を継続しがたい重大な事由」になりますが、義理両親の過干渉という事情だけでは通常離婚は認められません。

義理両親との関係性と夫婦の関係性はまったく別のものと判断されるからです。

 

「婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められるためには、義理両親との不仲というだけでなく、義理両親との不仲がきっかけとなり、夫婦関係そのものが破たんしている状況であることを証明することが求められます。

 

たとえば、義理両親との関係を取り持つように求めても夫がそれに全く応じず、それどころか義理両親の肩を持って妻を責め立てる状況が続いており、妻が心身に支障をきたしたような場合や、長期の別居に至った場合であれば「婚姻を継続しがたい重大な事由」と判断される可能性があります。

 

相談者様のケースのように、夫に両親に注意するように求めても分かったと言うだけで実際には何の対処もしないという場合、今の段階では離婚が認められる可能性は低いかもしれません。

 

まずは離婚の話し合いを

このような場合に離婚を望むときは、まずは夫にはっきりと今の状況が改善しなければ離婚したいという意思を伝え、話し合いをすることになるでしょう。

離婚を考えるほど妻が悩んでいることに気が付いていない夫もいるので、はっきりと離婚意思を伝えることで、ようやく義理両親への対応を真剣に考え、状況が改善する場合もあるでしょう。

 

当事者同士では冷静に話し合いをすることが難しい場合、家庭裁判所に調停を申し立てる方法もあります。

調停では、調停委員が当事者双方の話を聞いたうえで、離婚についての助言をして意見の調整を図っていきます。

調停委員には離婚するかどうかを決める権限はありませんが、調停委員に共感してもらい離婚したほうがよいという助言を引き出すためには、離婚したい理由を具体的、客観的に主張することが大切です。

感情的に義理両親からされた嫌な思いを訴えても、あまりよい印象は与えないので気をつけましょう。

調停では、最終的には当事者双方の合意ができなければ離婚は成立しません。

その場合、裁判を検討することになります。

裁判では、夫婦関係が破たんしていることを主張、立証する必要があります。

 

裁判での離婚が難しいのは上述の通りなので、相手との話し合いにより、相手の希望する離婚条件をある程度受け入れるなどして、相手が納得するように話し合いを進めることで離婚に同意してもらう方法もあります。

f:id:couple_consultation:20201114110926j:plain



 

借金による養育費と財産分与への影響について

今回は、夫から「借金があるので養育費も財産分与も支払えない」と言われた方からのご相談です。

 

ご相談

夫と離婚することが決まりました。お互いに言い分はあり、一方だけが悪いわけではないので慰謝料は請求し合わないということで納得しています。

私たちには小学生の子どもがおり、離婚後は私が親権者となり子どもを育てていきます。

夫に養育費や財産分与の請求をしたところ、借金の返済があるので一切支払うことはできないと言われました。私自身にも収入はありますが、借金を理由に養育費や財産分与を払わないことなど認められるのでしょうか?

 

アドバイス

ご主人から借金を理由に養育費や財産分与の請求を拒否されてしまったとのことですね。私にできるアドバイスをさせて頂きます。

養育費と財産分与については、別々に考える必要があります。

 

財産分与について

財産分与は、結婚期間中に夫婦で形成した財産(共有財産)を、離婚時に分け合う制度のことで、基本的には2分の1ずつの割合で分けることになります。

財産分与は、結婚期間中に得た財産であれば、夫名義のもの、妻名義のものを問わず対象となるのが基本です。

ただし、相続によって得た財産については財産分与の対象とはなりません。

 

財産分与をする際に、借金がある場合はどのように扱うかというと、まずはその借金が財産分与で考慮すべき借金かそうでないかを判断します。

財産分与で考慮すべき借金とは、家族で住む家の住宅ローンや、子供のための学資ローン、家族の生活費のための借金などのことです。

自分の遊興費のための借金やギャンブルでの借金、浪費のための借金などは財産分与で考慮すべきものとは判断されません。

 

財産分与で考慮すべき借金である場合、その借金と、プラスの夫婦の財産を比較したとき、借金の額の方が多ければ、基本的に財産分与を請求することはできません。

 

たとえば、夫婦の共有財産が500万円、住宅ローンの残債の額が1000万円の場合には、借金の方が多いため、財産分与を請求することはできないのが通常です。

 

ただし、借金についても夫婦で分割しなければならないかというとそんなことはなく、借金の支払い義務があるのはあくまでも借金の名義人(債務者)ということになります。

 

今回の相談者様のご主人の借金がどのような内容であるかはわかりませんが、借金が財産分与で考慮すべき性質のものである場合には、借金の方が共有財産よりも多ければ財産分与の請求ができない可能性が高いと考えられます。

 

養育費について

 養育費については、夫と妻の収入及び子どもの年齢、人数をもとにして、家庭裁判所で採用する「養育費算定」で基準となる金額を確認し、この金額に個別の事情を考慮して決定するのが一般的な方法です。

 

たとえ借金がある場合でも、支払う側に収入がある限り、養育費がゼロということは基本的に考えられません。

養育費の支払い義務は、親の子に対する扶養義務に基づくものですが、扶養義務の中でも「生活保持義務」に基づくものとされています。

生活保持義務とは、自分と同程度の生活を子どもに保たせる義務のことであり、自分の生活が苦しい場合でも、それを分け与える義務があるという重い義務になります。

 

このようなことから、相談者様のご主人の借金がどのような内容であるかを問わず、ご主人に収入がある限りは、養育費の支払い義務を逃れることは基本的にできません。

 

相手と養育費についての話し合いが上手くいかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることも検討してみてはいかがでしょうか。

調停委員からも養育費がゼロにならないという助言はされることになり、ご主人も第三者の意見を聞けば納得する可能性があります。

f:id:couple_consultation:20201114110742j:plain