離婚時の借金についてのご相談①

今回は、離婚時に借金が発覚した方からのご相談です。

 

【ご相談】

この度夫と性格の不一致により離婚することになりました。

財産分与について夫に持ちかけたところ、「実は借金があって、全然貯金はない」と言われてぞっとしました。

詳しく聞いたところ、小遣いが足りないときにちょこちょこ消費者金融でキャッシングをしていて、100万くらい借金があるとのことです。

この借金は、妻である私に請求が来たり将来何か迷惑をかけられることはあるのでしょうか。

また、相手に借金があった場合どのように財産分与をすればよいのかも教えてください。

 

【アドバイス】

突然ご主人の借金が発覚し、さぞ驚かれていることと思います。

借金がある場合の財産分与や、借金が配偶者に影響を及ぼすかなどについて、私ができるアドバイスをさせて頂きます。

 

1.財産分与とは

財産分与というのは、結婚している間に夫婦で協力して作った財産を、離婚する際に分け合う制度です。

分ける割合は財産を築いた貢献度によって決めるのですが、通常夫婦で半分ずつに分けることが多いです。裁判所でも、2分の1ずつという決定がされることが多いです。

仮にどちらかが収入のない専業主婦/専業主夫であったとしても、家事などにより貢献していたと認められるため、貢献度は50%と考えられ、半分ずつ財産を分けるのが通常です。

 

2.借金も財産分与の対象となるのか

財産分与の対象となる財産には、以下のようなものがあります。

①預貯金

②不動産

③家財道具

④給与(年金分割)

⑤債務

 

⑤の債務は、つまり借金のことです。

では借金も分け合わなければいけないかというと、そんなわけではありません。

 

財産分与の対象となるのは、あくまで「結婚期間中に夫婦で築いた財産」です。

結婚前に作った預貯金が対象とならないのと同じように、結婚前からの借金は財産分与の対象とはなりません。

結婚期間中であっても、結婚生活とは関係のない、自分のために作った借金は財産分与の対象となりません。

 

具体的には、次のようになります。

【財産分与の対象となる】

①家族の生活費として使うための借金

②住宅ローン

③ファミリーカーのローン

 

【財産分与の対象とならない】

①個人の遊興費のための借金

②ギャンブル、FXなどのための借金

 

相談者さんのご主人の場合、自分の小遣いのための借金ということで、「個人の遊興費」であり、財産分与の対象としないことが普通です。

ただし、小遣いが極端に少なく、仕事上の付き合いのための借金などという事情があれば考え方も変わってきます。

 

3.借金がある場合の財産分与の考え方

借金がある場合の財産分与は、基本的には次のように考えます。

 

【財産分与の対象となる借金がある場合】

プラスの財産と、借金とを合計してプラスになるのであれば、プラスになった分を分け合うことになります。

借金も分け合うかというと、通常そのようなことはなく、借り入れをした本人が返済することとなります。

お金を貸した債権者にとっても、返済はあくまで借り入れした本人(債務者)にしてもらうことが前提となっており、勝手にそれを変えることは通常できません。

 

【財産分与の対象ではない借金の場合】

財産分与の対象でない借金であれば、存在を無視してプラスの財産だけを合計し、それを分与の割合(通常は半分ずつ)に応じて分け合うことになります。

 

4.配偶者の借金のせいで困ることはあるのか

配偶者の借金のせいで困ることがあるかは心配だと思います。

これは、自分がその配偶者の借金の、「保証人」、「連帯保証人」、「連帯債務者」になっているかどうかです。

 

「保証人」になっていれば配偶者が借金の返済をしなくなったときに、保証人に請求されてしまいます。

「連帯保証人」であれば、債権者は債務者本人(配偶者)と同じようにあなたにも返済を請求することができます。

「連帯債務者」であれば、そもそもご自身も「債務者=借金のある人」となっているので、借金の返済義務があります。

 

自分が保証人や連帯債務者になっていないかはしっかりと離婚前に確認しておきましょう。

自分が「保証人」や「連帯債務者」になっていなければ、配偶者の借金により自分に請求が来ることはありません。

 

まとめ

離婚する際に相手に借金がある場合、まずは借金の内容を確認しましょう。

そして、借金が財産分与の対象とすべきものかそうでないかを判断しましょう。

借金が財産分与の対象でなければ、プラスの財産だけを考えて財産の分け方を話し合いましょう。

借金が財産分与の対象となる場合は、プラス部分があればそれの分け方を話し合いましょう。

また、配偶者の借金について、自分が保証人、連帯保証人、連帯債務者になっていないかはきちんと確認しておきましょう。

借金のある配偶者と離婚する場合、離婚後の養育費が不払いになってしまうリスクなども考えられます。

離婚の際はきちんと公正証書で養育費を定めることなども検討したほうがよいでしょう。

 

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